WHO(世界保健機関)の経穴部位国際標準化公式会議が10月31日~11月2日までの3日間、茨城県つくば市のつくば国際会議場で開催された。日本、中国、韓国、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ベトナム、シンガポール、モンゴルの9カ国と、WFAS(世界鍼灸学会連合会)、AAOM(米国東洋医学会)の2つの鍼灸団体が参加して話し合われた結果、361穴の部位が正式に確定した。
会議はオープニングセレモニーのあと、WHO西太平洋地域(WPRO)の崔昇勳伝統医学諮問官によって、議長に形井秀一、副議長にBrenda
Golianu(アメリカ合衆国)の両氏が選出されて始まった。361穴のうち、関心の的は何と言っても、日中韓3カ国案の段階では統一できずに併記となっていた口禾髎、迎香、労宮、中衝、環跳、水溝の6穴。日本案がどれだけ採用されるか注目されたが、参加者が事前に資料を検討してきたこともあり、意外なことに、あまり議論されず、併記することとなり、順位が投票で決められた。その結果、賛成の多かった案を本文とし、もう一方のものがその他の部位(alternative
location)として付記されることになった。このことについて、形井氏は「この6穴は日中韓3カ国で3年間さんざん議論し尽くしても結論が出なかったツボ。それぞれに主張の根拠があるので、議論で1つにまとめられないときは併記とし、その順位を投票で決めることを議長提案して了承され、議論を行った。その結果がこのようになった」と説明する。
また、部位の理解を助けるためのチャートについては、日中韓の3カ国がそれぞれ案を出してプレゼンテーションを行い検討されたが、詳細については結論が出なかった。今後は今回の公式会議に出席した委員同士でネットワークを作り、検討を継続することが確認された。

写真上:左からBrenda Golianu(副議長)、形井秀一(議長)、崔昇勳(WPRO)の各氏
写真下:会議に出席した9カ国、2団体の代表や裏方のスタッフたち