週刊あはきワールドへようこそ! 2011年6月8日号 No.236

難問奇答集  其の六十五


周痺と衆痺はどう違う?

〈奇答師〉神麹斎

【難問】  

『霊枢』周痺篇に周痺と衆痺という言葉が出てきますが、これはそれぞれどういう意味で、どう違うのですか。

【奇答】
  『霊枢』周痺篇は不思議な篇です。黄帝は、周痺というのはこういうものでしょう、どうしてそんなことになるのか、その理由を知りたいと言っているのに、岐伯は、それは衆痺であって、周痺ではないと応じている。

 恐らくは、痛みの移動する痺についての理解が変化したか、もしくは違うグループの説なんだろう。

 衆痺は、発したり休んだり、それが左右に移動する。痛みが移る時には、針を下そうとしても間に合わない感じで、その痛みが次第に酷くなってきたなあと思っているうちに、治療するまでもなくそのところの痛みは已む。そこで、その治療の要点は、すでに痛みが已んでいるものを刺して、再び痛みが起こらないようにするにある。もともとそこにあるものが更互に発すると解すべきかも知れない。つまり本当は移動ではなく、点滅である。滅している方を攻める。衆は多いという意味だろう。

 周痺は血脈の中にあり、脈に随って上下するのであって、左右に移るわけではない。その治療の要点は、上から下に移るものはまず下を刺してその進展を阻止し、しかる後に上を刺してその根源を取り除く。下から上に移るものは、その逆である。

このコーナーでは、古典鍼灸医学に関する難問を募集します。応募された中から奇答に値すると神麹斎氏が判断した場合に限り、その難問を採用させていただきます。なお、採用された難問に対する奇答はこのコーナーで発表させていただきます。また、不採用となりました難問への回答はできかねますので、あらかじめご了承ください。「これは?」という難問をお待ちしていますので、奮ってご応募ください。

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