| 2011年6月22・29日合併号 No.238 | |
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■レポート 第62回日本東洋医学会学術総会参加雑記明治国際医療大学伝統鍼灸学教室 篠原昭二 ![]() 鍼灸応用セミナー「陰陽太極鍼の実際」で実技を披露する 吉川正子先生 昨年の大会に比して、鍼灸関連の演題や企画が盛りだくさんの印象を受けた。 シンポジウム1シンポジウム1では、「漢方薬と鍼灸・マッサージなどとの相乗効果」と題して、鍼灸やマッサージ併用の意義について、(1)「遠隔施鍼で東洋医学診療は飛躍的に深まる。」下田憲先生(けん三のことば館クリニック)、(2)「産婦人科領域における漢方と鍼治療の相乗効果」佐野敬夫先生(医療法人社団朋佑会札幌産科婦人科)、(3)「当研究所における湯液と鍼灸の併用」吉川信先生(東京女子医科大学東洋医学研究所)、(4)「按摩マッサージ療法の効果」殿山希先生(筑波技術大学保健科学部保健学科)がシンポジストとして登壇され、今井浩之先生(いまい内科クリニック)、南雲三枝子先生(南雲治療院)の座長のもとで開催された。伝統医学セミナー伝統医学セミナーの企画では、「伝統を継ぐ人々」と題して、寺澤捷年先生(医療法人社団誠馨会 千葉中央メディカルセンター)、竹田眞先生(竹田眼科)の座長のもとで実施され、鍼灸関連報告として、「九鍼の臨床応用」と題して関信之先生(日本伝統鍼灸学会)が登壇された。鍼灸基礎実習セミナー鍼灸基礎実習セミナー(事前予約制)は、医家向けの体験セミナーとして事前予約で募集して実施されたようであるが、(1)「肩こりについて」川浪勝弘先生(北海道鍼灸専門学校)、(2)「腰痛について」平英治先生(平鍼灸院)が担当された。鍼灸応用セミナー鍼灸応用セミナーも盛りだくさんの企画が組まれた。(1)「YNSA(山元式新頭針療法)について」山元敏勝先生(医療法人愛鍼会)、(2)「陰陽太極鍼の実際」吉川正子先生(東方鍼灸院)、(3)「M-Testによる診断と治療」向野義人先生(福岡大学スポーツ科学部/福岡大学病院東洋医学診療部)、(4)「女性のための鍼灸」形井秀一先生(筑波技術大学)などである。このほかにも、一般演題として鍼灸系の研究報告も行われ、積極的な討論が展開されていた。 鍼灸サロン(鍼灸体験コーナー)その他の企画の中に、「鍼灸サロン(鍼灸体験コーナー)」が設置され、土日の二日間、鍼灸治療を体験するコーナーとして人気を博していた。特に、吉川正子先生(東方鍼灸院)の治療は刺さない鍼として若い女性研究者の体験希望者が殺到し、非常に好評を博し、スタッフ一同その対応に追われて大変忙しく立ち回っておられたのが印象に残っている。また、その他のブースでも北海道鍼灸師会会員と思われる先生方の活躍も目についた。ドクターに鍼灸治療を正しく理解してもらう企画と思われるが、非常に好評を博し、直後効果がすぐに体験できるというのは、すばらしい体験であり、今後も継続されることが期待された企画である。 鍼灸以外で興味をもった特別シンポジウム東洋医学会の他の企画の中で興味をもって望んだのが、「特別シンポジウム:「これからの研究倫理」である。演者として、(1)田代志門先生(東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野)が「人を対象とする研究の倫理」。(2)津谷喜一郎先生(東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学)は、出版倫理(多重投稿・臨床試験登録制度)。(3)高後裕先生(旭川医科大学内科講座消化器・血液腫瘍制御内科分野)が癌治療・がん研究における倫理—インフォームドコンセントと利益相反と題してそれぞれ講演され、討論が行われた。種々の研究をする前提として、倫理委員会の承認を得る必要があるが、なかなか大変な作業であり、中には、渋々研究の方向性や方法論の変更を余儀なくされることもあり得る。そういった倫理委員会のあり方について討論が行われた。 また、一つの研究結果を異なった学会雑誌に投稿するといった多重投稿についても、少ないとはいえ、ときに見受けられる。結局研究者の良心の問題に期することになるが、事前に編集委員会(もとの論文および新たな投稿先)に説明および承認を受けることによってそういった問題がクリアーされることも示唆された。 製薬会社や企業等からの多額の寄付金による研究では、しばしば利益相反が問題となる。鍼灸領域では、ほとんど問題がないと思われるが、注意すべき課題であろう。 これらの特別シンポジウムは、臨床に役立つわけでも、臨床家が聞きたいタイトルでもない課題と思われる。しかし、今後の研究活動においては、非常に地味ではあるが、重要な課題である。こういった課題についてシンポジウムとしてセッションを設ける土壌が当学会には見られることが何よりもすばらしいことと思われた。 結びにかえて北の大地は、山の幸、里の幸、海の幸が豊富な土地柄でも有名である。学会場を一歩出れば、そういった看板が所狭しと並んでいる。また、会期中はよさこい踊りのイベントが大通公園で開催される時期と重なっていた。夜、大通公園にたくさんの群衆が集まり、日本全国から選抜されてきたグループの、リズミカルで創意と工夫に彩られた踊りや振り付けを見るとき、知らず知らず手や足がリズムに合わせて動き出すようで、胸の奥底から元気がわいてくる印象も受けた。はなはだ雑駁な報告記となってしまったが、学会もさることながら、食べてよし、のんでよし、よさこい踊りを眺めてよしの、大いに満足感の充足した札幌であった。 ★この記事に対するご意見やご感想をお寄せください≫≫ Click Here! |
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