望診に興味があって調べていたら、『霊枢』五閲五使篇にそのことが書かれていることを知りました。「これは参考になるぞ」と思っていたら、古典に詳しい友人が「あてになるかな?」と不安な一言をもらしました。あてになりますか。
どうですかね、参考になりますかね。こんなのほとんど人相見じゃないですか。
私は占いなんて大嫌いです。でもね、こういった顔面に何かの変化が現れたら、どこかの器官の異常じゃないかという判断は、マシなほうだと思います。今日は大安だとか仏滅だとか言うよりははるかにマシ。古代の名医達の観察結果でしょうから、無碍に扱うというのも若干躊躇します。ただ、あまり囚われるというのはねえ。だから、参考にはしたいけれど、あてにはしません。
『霊枢』五色篇の顔面の望診に関しては、ちょっと整理することが必要ですね。五蔵と六府とその他の身体各部の、三種三枚の配当図を重ね合わせてしまったのではないかと思ってます。
五蔵の図は、闕中は肺、下極は心、直下は肝、下は脾で、大腸を挟むのが腎。闕は眉間で、闕中はまさしく眉の間。下極はおそらくはその下の鼻隆の低くなる箇所。直下はその下のまさしく鼻の隆起するところ。脾についていう下は、肝についていう鼻隆の下で、つまり鼻尖と考えたい。大腸についていう中央はよく分からないが、やはり面部の中央とするほうが文章に素直であり、その脇に腎を配当すると考えたい。そうすれば五蔵の顔面における配当と躯幹における在りかたはほぼ対照的になる。五蔵は概ね中央に上から、肺、心、肝、脾と配される。腎だけは脾の下方の左右、つまり中央の大腸を挟む。
六府の図は、肝左は胆、方上は胃、中央は大腸、面王以上は小腸、面王以下は膀胱子処。肝を鼻隆とするとその隣に胆を配当するのはわかる。ただ、左というのは分からない。文字の誤りかも知れない。方上はおそらくは鼻翼で、つまり脾を挟む。大腸について言う中央は、顔面の中央であるとして、上文の大腸を挟んで腎があることからすると、鼻尖あたりの中央と解したい。小腸と膀胱子処は、面王以上と以下に配される。普通には面王は、明堂と同じく鼻尖のはずである。とすると、鼻尖の上に小腸、下に膀胱子処が配される。ただ、何か文字に誤りがあって、上は鼻尖から唇まで、下は唇から顎のほうがすっきりとはする。後文に男女の面王に色がある場合に、小腸痛とか膀胱子処の病とか言っている。
第三のその他の身体各部の図は、庭つまり額の上部は首面、闕つまり眉間の上は咽喉、腎を配したあたりは身体でいえば臍、顴(頬骨)とか顴後とかに肩から臂、目内眥の上に膺乳、おそらく頬の外を挟んで目外眥の後方に背。顎の角あたりから何処かに向かって下肢を配当しているようだが、これはよく分からない。
人の顔面部を古代の宮殿になぞらえて言っているわけで、巧妙な譬喩のようだけど、当てはめるのに夢中になって、実際の経験からは逸脱した可能性だってある。やっぱり用心してかかったほうがいいですよ。
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