週刊あはきワールドへようこそ! 2011年8月10日号 No.244

「遠位置針―患部運動療法」のひとくち解説 第6回


会陰部痛を「遠位置針―患部運動療法」で治す

西田順天堂内科院長 西田皓一


                            図1

〔会陰部の治療〕

 あまり頻度は多くありませんが、会陰部に痛みを訴える時があります。現代医学で観察しても異常が認められないが、なかなか症状が取れない場合があります。こんな時には針灸治療が効果を発揮します。

会陰部の治療では、会陰部のどこに一番異常を感じるかを確かめることが大事です。大部分の場合、気衝(胃経)または居髎(胆経)に痛みを訴えることが多いようです(図1)。

気衝は胃経の穴位ですが、“衝脈の起こるところ”でもあります。また居髎は胆経の穴位で、陽維脈と陽蹻脈の会でもあります。このような経絡の関係を利用して奇経療法を行うと、良い結果が得られることが多いのです。

〔奇経療法を応用した会陰部痛の治療法〕

◎「気衝」に異常のある場合は、衝脈(公孫)⇔陰維脈(内関)に置針し、会陰部の筋肉の運動をさせます。

 会陰部では、しばしば「気衝」に痛みを指摘する場合も多いです。この場合、衝脈は「気衝」を通過しているので衝脈の主治穴の公孫を取穴し、これに対(つい)を成している陰維脈の主治穴を取穴します。つまり衝脈(公孫)⇔陰維脈(内関)に取穴し、患側の大腿部を運動させると鎮痛効果があります。

◎「居髎」に異常のある場合は、帯脈(足臨泣)⇔陽維脈(申脈)に置針し、会陰部の筋肉の運動をさせます。

 なお衝脈と陰蹻脈との違いは、陰蹻脈は腎経の走行に近く、衝脈は脾経の走行に近いです。つまり陰蹻脈は内側後方の腎経の走行に近く、衝脈は内側よりやや前方の脾経の走行に近いのです。

 会陰部の痛みには、奇経療法で即効があります。この際、置針して患部を動かせることにより、より鎮痛効果が得られると思います。

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