週刊あはきワールドへようこそ! 2011年9月14日号 No.248

難問奇答集  其の七十二


五蔵は小さい方が良いのか

〈奇答師〉神麹斎

【難問】  

五蔵についての質問です。五蔵は小さい方が良いのか、大きい方が良いのか。『霊枢』にそのことが書いてあるらしいことはわかったのですが、学生の私には難解すぎてお手上げです。

【奇答】
 『霊枢』本蔵篇に、五蔵の小大、高下、堅脆、端正偏傾の違いがあって、それによって病になりやすいとかなりにくいとか、どんな病に罹りやすいとかの情報があります。で、堅脆とか端正偏傾は、それはまあ堅くて端正なのが良いに決まっている。おおむね無病です。脆であればおおむね消癉を病む。『霊枢』邪気蔵府病形篇で、五蔵の脈が微小であればいずれも消癉でした。まあ、脆ければ当然ながら病弱です。偏傾であればおおむね偏ったことによって空虚になった部位を病むか、あるいは圧迫された部位を病みます。高下も同じようなものですね。高であると下が空虚になって病み、下であると下方にある府を圧迫して病むことになっている。

 問題は小大。小はおおむね無病です。ただ、精神状態の影響は受けやすいかも知れない。心が小さいと、憂いによって傷つきやすいと言っています。大であれば憂いには強いけれど、邪には襲われやすいと考えている。また、大きいことによって他の部位、器官を圧迫して病むこともある。

 本当は高下とか小大とかは中庸が良いのでしょう。そう考えたほうが、中国古代の叡智に叶うと思いますよ。『霊枢』論勇篇には、勇士の肝は大きくて堅いと言っている。本蔵篇と抵触するみたいだけど、そうじゃない。五蔵が大きいのは一般的にいってあまり良くはないと言っても、それは他の器官を圧迫するからであって、しかるべき所に納まっている分には、大きくて機能が充実していることはやはり良いことなのでしょう。

 五蔵の小大、高下、堅脆、端正偏傾を判断するには、身体各部の状況を診ます。心は胸骨、肺は肩背、肝は脇骨、脾は唇、腎は耳を見て判断する。この望診はあてになるのか。だからね、参考にはしたいですよ、でもあまりあてにはしないほうが良いと思いますよ、やっぱり。

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