| 2011年10月5日号 No.251 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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良導絡治療ってなぁに 第19回 腰部脊柱管狭窄症と良導絡
1.はじめに間欠跛行(かんけつはこう)は数10mから数100mの歩行で疼痛・しびれ・冷え・脱力感・重だるさなどのため歩行困難または不能となり、休息で直ちに症状が軽減し、再び運動が可能となるという特徴があり、主として「神経性間欠跛行」と「血管性間欠跛行」に分類されている。「血管性間欠跛行」は血管閉塞では患側下肢の動脈(大腿動脈、膝窩動脈、足背動脈、後脛骨動脈など)の拍動が減弱ないし消失、患側下肢の冷感および皮膚温の低下が認められるが、腰痛は起こさない。自転車のペダルをこぐと腓腹筋痛が強くなる(バイスクル テスト陽性)。 原因としてあげられるのは閉塞性動脈硬化症(ASO)、閉塞性血栓血管炎(TAO)などの末梢動脈性疾患(peripheral arterial disease : PAD)であり、間欠跛行を起こすPADの割合は1割程度と比較的少ないが、近年増加傾向を示している。 一方、「神経性間欠跛行」の原因が腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis :LCS)。間欠跛行を起こす割合はこのLCSが約8割程度と最も多い。また、LCS とPADとの合併症も1割程度認められる。 2.腰部脊柱管狭窄症とはLCSは加齢に基づく退行性変化で、脊柱管周辺の骨組織の変形や軟部組織の肥厚などにより、馬尾・神経根などを圧迫して発症する。臨床症状としては腰痛、重だるさ、下肢痛、しびれ、脱力感および間欠跛行がみられる。休息時の前屈姿勢で速やかな緩解、押し車を押すなどの前屈姿勢では歩行可能で、自転車には支障なく乗ることができる。LCSにおいては、①神経根型・②馬尾型とこれらの③混合型の判別が重要である。 ①神経根型の多くは痛みや重だるさなどが多く認められる。片側>両側で単根性障害を示す。ケンプ徴候陽性、後屈保持姿勢テスト陽性、多くは膝蓋腱反射、アキレス腱反射が減弱または消失する。②馬尾型は会陰部などの知覚異常が主で、痛みはない。両側性、多根性障害を示す。③混合型はこれらの合併症状を呈する。 LCSと腰部椎間板ヘルニアとの鑑別点は、年齢、間欠跛行の有無、下肢伸展挙上テスト(SLR)の陽性率などである。腰部椎間板ヘルニアは若年層に多く、前屈制限や SLRの陽性率が高いのに対し、LCSは主として中高年以上に好発し、間欠跛行を認めるが、 SLRの陽性率は極めて低く、ケンプテストや後屈で悪化する。 今回、中年以後の平均年齢80歳の患者で間欠跛行があり、下肢の動脈拍動部の左右差を認めない神経性の間欠跛行症状を持つLCS患者8名(男性3名、女性5名)のノイロメトリーと鍼灸良導絡治療の効果を報告する。 なお、膀胱・直腸障害や性能力低下などの症状を持つ症例はなかった。 3.腰部脊柱管狭窄症に対する良導絡治療の方法![]() 図1 ノイロシステムビジョン:ノイロソフターDS208S 4.結果および考察今回治療した神経性間欠跛行を呈するLCS患者8名の初回のノイロメトリー(興奮点・抑制点をそれぞれ2~3個選択)の特徴H5 (リンパ良導絡)・H6 (大腸良導絡)・H4(小腸良導絡)のH陽系の興奮とF5 (胆良導絡)・F4 (膀胱良導絡)・F3 (腎良導絡)・F6 (胃良導絡)などの抑制が多かった(表1)。今回の人数は極端に少ないので正確ではないが、以前に後藤の発表した腰痛、坐骨神経痛の患者のノイロメトリーの研究結果とも比較的よく相似している(表2)。
鍼灸の治療効果について、馬尾型の症状である安静時のしびれなどの神経の変性によると推定される知覚異常は取れにくいが、神経根型の痛み、しびれの軽減と間欠跛行時の歩行距離の延長効果などが認められた。 神経性間欠跛行は腰部脊柱管の狭窄により馬尾や栄養血管が圧迫されて阻血状態になり、同時に歩行による下肢の筋肉の活動に対して求められる支配神経の酸素消費量が増大することにより、さらなる酸素要求に対応できなくなって発症すると考えられている。そこで鍼刺激により脊柱管内の血管の血流がよくなり、酸素がより多く供給されて、痛み、しびれの減少および歩行距離の改善がなされたのかもしれない。 5.治療のコツLCSにおいて神経根型の場合は表3のように、腱反射、筋力検査および知覚検査を行い、高位を判定する。L4と判明すれば、L4の夾脊を椎間関節に向けて刺入する。L5であればL5の夾脊に刺入し、S1であればF424上髎に刺入する。そして、痛みやしびれのある部位付近の反応良導点を12V・200μA以下で探索して、反応があれば使用する。なお、LCS患者は腰をそらすと症状が再現するため、腹臥位で治療するのは困難な場合が多い。そこで腰椎が反らないようにクッションを敷くか、それでもつらい場合は側臥位で膝を屈曲させた姿勢の方が患者に負担をかけずに治療が行える。 刺激方法はまず刺入時にできる限り、痛みやしびれる部位にひびきがあるようにする。 しかし、鍼治療が初めての患者であれば、必ずしもひびきを求める必要はない。初診者はまず、鍼の刺激に恐怖感を持たせないようにすることが大切である。その後、約15分間置鍼を行い、5回程度治療するが、冷えがある場合は灸頭鍼に、また、疲れなどの副作用がない場合はパルス通電(刺激強度は患者が気持ちのよい強さ、2~3Hz、15分間)に刺激方法を変更する。
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