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2011年11月2日号 No.255

西村久代の在宅ケア勉強会 No.9


うるせい大阪のおばちゃん、
AZP走法で大阪マラソンを走る


訪問リハビリ研究センター 西村久代

 10月の勉強会のテーマは大阪マラソンに出場すること。記念すべき「第1回大阪マラソン」にグループエントリーを行い、17倍の倍率の中で貴重な出場資格を得たのです。

「ラムちゃん」張りのヒョウ柄衣装を自分でこしらえる

スタッフ10人の中から7人を選抜。うちマラソン経験者は1人だけ。あとのメンバーは私も含めて駆けっこも「ムリ」な運動駄目人間ばかり…。それでも、患者さんの叶わぬ夢を背負いゴールにチャレンジする気持ちだけを大切に頑張ろうと誓いました。


                   選ばれし7人の「うるせい大阪のおばちゃん」




 ゴールまで走りきるのは無謀すぎるチャレンジなので、目標設定を大幅に縮小。転倒して怪我をしないこと、心臓麻痺を起こさないこと、救急車で搬送されないこと。この3つの掟を誓い合い、収容バスに拾われてゴール地点に集合することだけを目標にしました。そうなれば、あとは、大阪のおばちゃんパワーを全国に知らしめるため、衣装をピシッと決めるだけ。思案した挙句、ひらめいたのはヒョウ柄でのパフォーマンス。

 「そうだ。“うるせい大阪のおばちゃん”を体現しよう」

 そういうわけで、「ラムちゃん」の衣装を選択することになり、市場を調査しました。ところが、私が思い描く物が発見できませんでした。そこで忙しい合間を縫うように、7人の採寸から始まり、生地の購入、縫製のすべてを私が行うことにしました。

 そのようにして、衣装はバッチリ決まり、大阪マラソンの当日を迎えました。

目標は5㎞地点でバスに拾ってもらうこと

もちろん私もマラソンは初めての経験で、友人たちから練習の予定を組んでもらったりしていましたが、一度も練習は行いませんでした。ただ、靴はマラソン用を購入しました。靴下はゴルフ用の底の分厚い物を用意しました。

 私の足の爪は巻き爪で靴を履くと痛みが出て、長い時間は耐えられないと考えたからです。この靴下の選択は大成功で足の皮膚の損傷はほとんど皆無に近かったので助かりました。

 マラソン用の靴は、買いに行った日と前日にゼッケンをもらいに行く日とマラソンの当日だけ履きました。

 スタート2時間前。まだ時間があるので、身体が冷えるのを恐れてズボンの下にはストッキングを履きました。ビニール袋に頭と腕を出すための穴を開けて保温用に用意しましたが、他のメンバーが寒そうなので貸しました。自分の脂肪が思ったより厚かったので、寒さを感じることはありませんでした。

 全長42.195㎞を7時間でタイムオーバーという設定なので、毎時6㎞を守ると7時間でゴールができます。普通の歩行が毎時4㎞と考えると1.5倍のスピードで歩けば収容されずにゴールできるわけです。

 7人中比較的後ろ向きなメンバーに合わせると5㎞地点が目標となりました。5㎞地点でバスに収容してもらおう、もし行けるなら御堂筋のエルメスまで7㎞地点に行こう、というとても低い目標をもって臨みました。

パフォーマーは23分遅れのスタート

午前9時にスタートの合図がなりました。しかし、私たちパフォーマーが実際スタートできたのは23分過ぎでした。5分前から「走ってください」とマイクで促され、人間の固まりが自分のペースを無視して狭い通路を走り出しました。

 スタートへと向かう競争心理も手伝ってスピードが増していきます。この時はさすがに恐怖を覚えました。後ろから押されるように走ると呼吸が簡単に荒くなります。スタッフの一人はもうここでペースを保てなくなりました。私はどうにかこのスタートを無事に通過して走り出しました。なかなか大勢の中で自分のペースを維持するのはとても難しいものだと思いました。

 沿道には応援する人が多いのにビックリしました。「ねこちゃん、ガンバレ。ねこちゃん、可愛い」と応援をしてもらいました。このパフォーマンスにすごく反応してくれているのがとても心地よく楽しくなってきて、それが力となって走り続けようと思ってしまいました。

AZP走法の効果を試す

 私は今までマラソンを全く走ったことがなかったので、走る前に、自分なりにフォームの研究だけはキッチリしていました。走る姿のAZPを実践しようと鏡を見ながら重心の位置のチェック。どの筋肉がどういうように作用したら脛骨に体重が乗り、筋肉の疲労を押さえることができるのか。試行錯誤をして筋肉が必要最小限ですむ角度を考えました。

 スライドはできるだけ広げない。地面を蹴る力は最小限で足関節の角度を変えない。前に進むバランスを考えると少し前傾姿勢で胸を少し反らすことで足への負担を軽減させる。

 膝は大きく曲げない。伸ばしきらない。同じ角度で走り続ける。

 呼吸は鼻から2回に分けて吸い込み、口から2回に分けて吐く。苦しくなったらそのリズムを早くして酸素をより多く取り込み二酸化炭素をより多く吐き出す。

 給水場に着いたら必ずスポーツドリンクを飲み、その後に水も同量飲む。

 時間を気にせず7㎞地点に着いたとき、意外に疲れていない自分がいました。グループでの責任上一緒に走ろうと思っていましたが、そこからは自分のペースで行けるところまで行ってみようと思い直しました。

 幸いマラソンのゴール経験者の安田さんも比較的元気だったので二人で走り続けることにして、あとのスタッフに別れを告げて走り出しました。


     20㎞地点の著者。あと3分速ければ・・・
 設定時間ギリギリだったので、私の後ろの100mにはパトカーと護送車、収容バスが走っていました。近寄ってくると沿道の人たちが「ネコちゃん、頑張って。捕まるよ」と声をかけてくれます。

 「ネコちゃんじゃないのよ。ラムちゃんよ」と言いながら「逃げろー」と叫んでシッカリ走り、疲れてくると「ああ、もうダメだ」と言いながら歩きます。歩いているとパトカーが追いついてきて、また逃げるの繰り返し。とうとう20㎞地点で時間制限の関門を3分過ぎて捕獲されて収容バスに強制連行されました。

AZP万歳! 大腿四頭筋と大腿二頭筋以外は痛くない

 その日の筋肉痛は大腿四頭筋と大腿二頭筋だけ。前脛骨筋や下腿三頭筋の痛みは皆無です。ただ、トイレに座るのには勇気が要りました。立ち上がるのは立位訓練の初歩と同じ。AZPで膝をくっつけたポーズで頭を前に出したら立つ。見事にでき、AZPの効果が実証されました。

 AZP万歳。すごいです。2日目は痛いけど動けました。患者さんを回ることは可能でした。3日目の今日は普段とあまり変わりなく過ごせています。

 来年は少しマラソンの練習をしてゴールを本気で目指したいです。

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2012年1月開催
日時 2012年1月29日(日) 12時~17時(受付11時30分~)
内容 AZP理論に基づく変形徒手矯正術』をテキストにして療養費(保険)取扱の基本事項から変形徒手矯正術の実技までを学ぶ
講師 西村久代(株式会社訪問リハビリ研究センター代表取締役)
会場 東洋鍼灸専門学校
詳細 http://www.human-world.co.jp/seminer/seminer026.html



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