週刊あはきワールド 2011年12月28日号 No.262

術伝流操体 その61

応用篇(12)

術伝流応用講座の症例:坐骨神経痛 

術伝(和方養生技術伝承塾) 金子芳幸 

  応用編も基本的なことは書き終えました。そこで、これからは、今まで術伝流応用講座で操体させてもらった例を紹介していこうと思います。術伝流応用講座では、実際に症状のある人に来てもらい、操体ライブをしています。

坐骨神経痛の症例

 坐骨神経痛で、左足のとくに裏側がしびれていて、右肩の動作制限もあるという人。膝を曲げた状態がつらく、足を伸ばしていたいので、正座のような姿勢で座るのは無理で、運転中も左足を前に投げ出しているとのこと。


        写真1                  写真2
 まずは、患部の側を上にした横向き寝になってもらいました。そこから、足指裏を痛くして逃げてもらい、足指裏が痛まない姿勢になってもらいました(写真1)。

 それから、上になっている肩が前がいいか後ろがいいか聞いたら、前のほうがいいということで、その姿勢を強調しました(写真2)。横向き丸まり型ですね。


        写真3                  写真4
 写真だとなんにもしてないように見えると思いますし、実際そばで見ている人、とくに、お子さんなどにそう言われることもあります。姿勢で治している、タワメの間の姿勢をたもつことが改善につながっているという意識をもつようにしてください。腹の息が自然に深くなるような姿勢を維持していると、だんだん良くなっていきます。

 数分続けたら、殿部が温かくなり、息が深くなるのがすこし落ち着いてきました。そこで、経絡的に関連するところに出ているツボに指圧していきました(写真3、4)。片手は、坐骨神経痛のポイントの殿部中央で、皮膚操体を続けながら。


        写真5                  写真6
 末端にたどり着いたところで、指そらしと組み合わせました(写真5、6)。この指そらしは、鍼での末端への引き鍼にあたります。「患部に補」、「末端に瀉」の組み合わせです。しばらく続けたら、尻中央が脈をうつようになっていきました。血行がよくなったということだと思います。

 指そらしの反応がすくなくなったので、カエル足を強調するようにカカトを押してみました。目立つところを強調してみて反応があれば続け、反応がなくなったら次を試すという基本の応用です。


        写真7                  写真8
 姿勢を変えたがっているように感じたので、ゆっくり、うつ伏せになってもらいました。足に左右差が残っていて(写真7)、いかにも左足が悪いなという感じでした。


 うつ伏せでは、まず、膝たおしや尻たたきなどの左右差をしらべてみました(写真8)。


        写真9                  写真10
 足首回しの左右差が大きかったので、それをしてみることにしました。腕をイイ感じの位置にしてもらったら、腹の息が深くなっていきました(写真9)。

 左脚裏に非常に虚した、穴が空いている感じのラインを見つけたので、指圧していきました(写真10)。気持ち良いとのことでした。


        写真11                  写真12
 すごく深く、指では奥まで届かないので、太めの鍉鍼や木の棒を奥までいれ、横にゆらしたりしましたが、痛くはないのことでした(写真11)。3寸5分くらいの鍼で刺鍼したくなりました。

 木の棒の角度をツボのいちばん奥の芯にあたるように調節し、それがうまくいくように、足甲をおして、膝の曲げ具合も調整しました(写真12)。そしたら、腹にふかく息がはいるようになりました。


        写真13                  写真14
 これを道具を使わないでするには、肘をあて、操者の体重をかけていきます(写真13)。肘をしっかり曲げ肘頭の先端がツボの底にあたるように、肘を当てる角度を調整します。また、足の曲げ具合や曲げる角度も調整します。

 しばらく体重をかけていたら、尻がだんだん温かくなっていきました。それで、おわりにしたら、脚の左右差もすくなくなっていました(写真14)。


        写真15
 ゆっくり起き上がってもらったら、正座で座れるようになっていました(写真15)。

 その場で足踏みしてもらい大丈夫なことを確認してから、歩いてもらいました。左右差はほとんどなくなっていました。シビレもほとんどなくなったとのことでした。

 五十肩もあるということで、無理のないように椅子に腰掛けてもらい、脇の下前後の水かきを調べたら、シコリがありました。


        写真16
 まずは前の水かきのシコリから。シコリをつまんで肩のほうに移動し、手首の回転と体重移動をつけくわえ維持しました(写真16)。体重をもどしたくなったときにおわりました。ゆるんでいました。


 つぎは後ろ側、こちらのほうがひどい状態でした。やはり、手首反らし回転と体重移動をつけくわえました(写真17)。しばらく維持していたら、患部が温かくなってきました。おえて、調べたら、かるくあがるようになっていました。


        写真17                  写真18
 もっと、よくするために逆モーションバック運動も伝え、おぼえてもらいました。右手が上がりにくい状態なので、右手を下げ、左手を上げる動作が逆モーションになります(写真18)。

 こんな感じで、いらした人のつらさにあうように、操体ライブをしています。つらい症状のある人をご存知でしたら、紹介してください。よろしくおねがいします。

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