週刊あはきワールドへようこそ! 2012年1月25日号 No.266

灸療閑話 第63話


灸 活


灸法臨床研究会 福島哲也

 この23日の夜から、東京でも珍しく雪が積もった(6年ぶりらしい)。その影響で、足を取られて転倒する人が相次ぎ、東京消防庁によると、25日午前0時までに209人が病院に搬送されたという。24日の朝6時半頃、私が愛犬の散歩をしているときにも、高校生が派手に転倒する場面を見た。幸い私は無事だったが、骨折をしてしまった人も多いと聞く(たまたま、右手前腕部を骨折してしまった人にも遭遇し、井穴刺絡と知熱灸を施した)。

 あと数日間は、路面の凍結が残っている恐れがあるだろうから、皆さん、くれぐれもご注意を!

お灸女子

 半月ほど前、某テレビ局(N●K)の朝の番組で、「お灸女子」なるものが増加中であるという特集があったと、何人かの患者さんから報告があった。その放送のあった時間は、あいにく治療真っ只中であったので、残念ながら私は見ることはできなかった。今年は「お灸女子」の開拓を足がかりにした「お灸の啓蒙・普及活動」と、さらには鍼灸業界にも新たな展開(爆弾!?)を仕掛けてみようかという素敵な目論見を計画中であるが、そのひとつとして…。

 現在、我々には、Home page 、Twitter 、m●xiやGREEなどのSNS(Social Networking Service)、さらにFacebookなどなど、特定および不特定多数に情報(実際には玉石混淆だが……)を発信できる手段が身近にあるわけで、これから1カ月間(2月いっぱい)継続的に、全国の鍼灸師および鍼灸学生・鍼灸の関係大学および専門学校・関係業者(鍼灸道具の製造販売業者や出版社)などの心ある有志諸君が、それらを上手に利用して、ネットの海に同時多発テロのごとく「お灸女子」というキーワードに関連したウイルス(優良かつ有効な情報)を、ばら撒いてみるというのも一興かと思う。

 御賛同いただける方は、ぜひ今すぐ行動を起こしてもらいたい。

お灸男子

 日頃から、既に患者さん向けの健康講座やお灸セミナーを精力的にされている先生がたも多いと思うが、免許取得直後や開業間もないヒヨコ鍼灸師の先生がたへの提案として、今回の「お灸女子」事件を上手く利用して、灸活(自己PRとお灸の啓蒙・普及活動を兼ねたもの)をしてみることを勧めたい。

なお、集患(集客)がメインの目的ではない。

 具体的には、お灸女子向けのセミナーや講座(初めは少人数かつ短時間から)を定期的に(月に一度または数カ月に一度)開催してみてはいかがだろうか。セミナー・講座のタイトルは、「(仮)お灸女子のための冷え症撃退温活セミナー」とかにしたターゲットを絞り込んだものにするといいだろう。あるいは、「○○町(開業・勤務しているor住んでいる地域)で一番」のプロのお灸男子(きゅう師)であることを最大の売り(取りあえず技術は2番以下でもよいと思う)にしてみても面白いと思う。もしかしたら、パートナー(恋人や結婚相手)をお探しの未婚のお灸男子にとっては、ひょんなことから婚活に繋がるハプニング(?)があるかもしれないし……。

灸活の実際

 とりあえず、『素問』や『霊枢』などの一節から、お灸女子受けしそうな東洋医学的な蘊蓄をいくつか拾い出しておこう。そして、それらで10分間程度でできるマクラ話(本筋の導入部分となる健康講話。例えば、「冷えは万病の元」など)を作って、セミナーの回数+1回分のネタを前もって用意しておく。

【入門編】
 まず身近にあるものを使って、ツボではなく面(ある一定の治療エリア)に対して比較的ソフトな温熱刺激を与えるアプローチを教えてみよう。なお、わかりやすいイラストや図などを用いた簡単な説明および、注意事項(禁忌や火傷などについて)を書いたものを用意しておきたい。デモンストレーションをしてみせてから、お灸女子たちに最初の温活体験をしてもらおう。

〈使用するものと方法〉
①ドライヤーの温風を当てて温める。
②使い捨てカイロを貼付して持続的に温める。

〈目的と治療エリアの例〉
・風邪の予防や初期のセルフケアには、大椎・風門エリア
・上腹部の冷えや胃弱などには、中脘・梁門エリア
・下腹部の冷えや下痢には、臍部や関元エリア
・膝部の冷えや膝の痛みには、陽稜泉・陰稜泉エリアおよび梁丘・血海エリアや
 膝蓋骨周囲
・足関節付近の冷えには、三陰交・営池四穴エリア
 ・足先や足底の冷えには、湧泉・足心エリア

【初灸(級)編】
 つぎに、面ではなく点(ツボ)へのソフトな温熱刺激を与えるアプローチを教えてみよう。ここでは、使用すべきツボの場所とそれらの簡便な取穴法を伝授(指導)し、ツボの奥のほうに心地良い温感がじんわりと浸透していく感覚を堪能してもらおう。

以下、「目的およびツボ」は入門編に準じる。

〈使用するものと方法〉
③市販されている火を使わない(ミニミニカイロ)タイプのお灸をツボに貼付する。
④お湯などで温めた小石(温石・ホットストーン)をツボに置き、温熱刺激を与える。

【中灸(級)編】
 そして、いよいよ火を使うお灸(間接灸)にチャレンジしてもらおう。ここでは、生きたツボの取りかたを実際に手取り足取り懇切丁寧に伝授し、ツボにハマったときのお灸の感覚を体験してもらおう。

〈使用するものと方法〉
⑤台座灸(せ●ねん灸など)や円筒灸(カ●ヤミニなど)で、ツボに施灸する。

【上灸(級)編】
 さらに、鍼灸師御用達のもぐさでのお灸にチャレンジしたいというお灸女子には、艾炷の作り方から教えてみよう。ここでは、灸熱の浸透とそのひびき(伝導)などプロの技を垣間見てもらおう。

〈使用するものと方法〉
⑥半米粒大程度の艾炷で灸点紙(2枚重ね)の上から施灸する。
⑦半米粒大程度の艾炷で八分灸を行う。
⑧糸状灸で施灸する(まあ、プロのお灸男子なら、これぐらいのことは朝飯前だろうが……)。

 なお、全セミナー終了時には、独自の修了証や認定証など授与しておくなどのサプライズを用意しておくことも忘れずに。

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