週刊あはきワールドへようこそ! 2012年2月1日号 No.267

知って良かった長野式治療入門 4


痛み、警告、扁桃

後編 

長野式臨床研究会東京支部 伊藤弘隆

今回は前編の続きです。

扁桃の弱体化(=免疫力の低下)診断ポイント

 前回、免疫力の低下により扁桃から菌が飛び出し、身体の弱い部位を攻撃すると紹介しました。患者さんの体質により弱い部位が異なるために症状はさまざまです。そのため長野式では、免疫力が低下しているかどうかチェックするポイントを設けています。

 右天枢(ヘソの右)、天牖、魚際。これら3点の圧痛(または硬結)をチェックします。










 すべてに強い圧痛がある時は、かなり免疫力が低下している状態です。

魚際の反応は、表裏の肌目よりも母指球寄りをチェックしましょう。

治療ポイント

 長野式の免疫力を高める扁桃7点処置を使います。左右の照海、左右の曲池、左右の天牖、大椎です。うつ伏せの状態なら7カ所いっぺんに刺激することができオススメです。刺鍼して丁寧に雀啄します。5~10分程度置鍼します。

 その後、所見(診断ポイント)を再度チェックします。圧痛反応が小さくなったり消失したり、硬結が柔らかくなればOKです。

 それにともなって、主訴の症状に変化がたびたび見られます。例えば、頭痛が取れたり、身体が軽くなったり、関節の可動域が広がったり・・・etc。また免疫力の向上により回復力が高まるため翌日、翌々日にはさらに治療の効果があらわれます。

 なかには頑固で変化の少ない圧痛や硬結があります。その際には、お灸を追加することが大切です(半米粒大で7壮が目安)。

 さまざまな症状に免疫力の低下が関与していることが多々あります。①反応のチェック、②治療(扁桃7点)、③再度反応のチェック。この3点をぜひ患者さんに行ってみてください。

 診断ポイントの圧痛や硬結が軽減したり、消失したりすれば、患者さんの免疫力が高まった証拠です。それにともなって扁桃から暴れまわる菌も沈静化し、菌に攻撃を受けていた部位は初めて平穏な状況の中で回復に集中することができます。結果、患者さんは早期回復したり慢性的な状態から脱却できるのです。

おまけコラム
~無痛切皮への道④~
コツは会話にあり
 切皮痛に気を使うシチュエーションがあります。それは鍼灸治療初体験の患者さんに施術するときです。必ずと言っていいほど「痛いですか?」と聞かれます。その際にどのように答えるか? が大きな別れ道になります。

 「痛いですか?」の質問に対して一番悪い解答は次のどれだと思いますか?

①「痛くないですよ」
②「全く痛くないと言われると、少し痛いかもしれません」
③「痛いですよ」

 もっとも悪い解答は2番です。

 1番は安心感があり身体の緊張がとけるため、切皮痛が出づらくなります。3番は「痛み」への覚悟が決まるため、準備が整った状態になり切皮痛が我慢できます。2番は「少し痛い」というものがどの程度かわからず、不安感、緊張感を高めます。結果、切皮痛が出る確率が上がります。

 「痛いですか?」と聞いて来る多くの患者さんは、注射器や画びょう、マチ針などが刺さった時の痛みをイメージして質問しています。決して「痛みはゼロですか?」と聞いているわけではないのです。「(注射みたいに)痛いですか?」と聞いているのです。ですから、この質問に対して完璧主義になろうとせず気楽に「痛くないですよ~(注射みたいには…)」と答えるだけでいいのです。

◎注意!
 もしも注射みたいな痛みの切皮になってしまうという方は無痛切皮への道  をご参照ください。

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