阿是指圧 伏臥位・仰臥位・座位の基本施術
監修: 石塚 寛
著:小野田 茂
定価:5,060円(本体4,600円+税)
判型:B5
頁数:366頁
発行:2015年1月
ISBN978-4-903699-49-3
本の紹介
浪越指圧の創始者、浪越徳治郎の直弟子である著者は、指圧普及のため、1984年にスペインの首都、マドリードに渡り、指圧治療院を開設。その後、3つの指圧学院(マドリード、マラガ、バルセロナ)を開院させたほか、スペイン指圧協会やヨーロッパ指圧浪越を立ち上げ、30年以上にわたってヨーロッパでの指圧普及に尽力してきた。また、スペインでの臨床経験をもとに、浪越指圧をベースにした独自のスタイル、「阿是指圧」を確立した。
本書はその阿是指圧のスタンダードテキストとして、3つの基本型である伏臥位・仰臥位・座位の型をまとめたものである。特に精神面、肉体面の虚実のアンバランスにおける基礎的治療を考えつつ、多方面からの治療のアプローチを考慮して作成。阿是指圧の型を覚えることはもちろんのこと、考える指圧をテーマに、一つの課題が多方面につながっていくといった頭の柔軟性をもった指圧師を育成するためにも役立つように編集されている。解剖学書並みの精密なイラストや鮮明な施術写真も多用しているので、初学者でも治療家でも文字だけでなく目で見て理解できるように徹底されている。
さらに、本書の大きな特徴がもう一つある。それは今までまとまった成書があまりなかった「座位指圧」を収載した点である。座位での指圧は応用範囲が広く、創造性のある治療を心がければ、限りなく可能性を広げることが可能である。プロが操作すればどこまでも奥が深く、素人が習っても即座に使えるワザが座位指圧にはいっぱいある。
治療家を志す者の最初の目標はまず、治療をいつも頭の中でイメージし、そして痛みの経過を想像し、最終的に痛みの消失させるテクニックを施せるようになること。「継続は力」を肝に銘じて熟読し、反復を試みれば、本書はきっとその手助けになるだろう。
●関連記事(週刊あはきワールド 2015年2月4日号 No.412)
『阿是指圧』へのいざない
浪越指圧をベースにした独自スタイル
「阿是指圧」の基本(伏臥位、仰臥位、座位の型)が学べる
『阿是指圧』の「はじめに」より
/小野田茂
目次
第1章 基本伏臥位
1)背部施術の準備段階(背部と腰部)
1.1脊柱と脊柱起立筋
1.2脊柱起立筋
1.3 肩甲下部リリース
2) 背部施術の準備段階(頚部、肩、背部)
2.1 後・側頭骨下縁
2.2 肩井、両側
2.3 肩甲間部、両側、第1・第2ライン
3)頚部
3.1 後・側頭骨下縁
3.2 後頚部
3.3 側頚部
3.4 項窩部
4)背部 I
(肩甲上部)
4.1 肩井
4.2 肩甲上部
4.3 首の付け根
(肩甲間部と肩甲骨部)
4.4 肩甲間部、第1、第2ライン
4.5 肩甲骨、内側縁
4.6 肩甲骨、中央ポイント (天宗)
4.7 肩甲骨、腋窩横紋の外側(肩貞)
5)背部 II
(肩甲下部と腰部)
5.1 肩甲下部と腰部、脊柱起立筋 第1・2ライン、両側
5.2 肩甲下部と腰部、脊柱起立筋 第1・2・3ライン、片側
5.3 腰部、志室を含むライン
5.4 腸骨稜部
(仙骨と殿部)
5.5 仙骨部
5.6 仙腸関節部(内側縁)
5.7 仙腸関節部(外側縁)
5.8 殿筋
5.9 梨状筋ポイント
6)下肢
(脚部)
6.1 大腿後側部、中央・内側・外側
6.2 膝窩部
6.3 下腿後側部
6.4 下腿内側・外側
6.5 アキレス腱部(崑崙・太渓)
6.6 内果・外果部
6.7 踵骨部
(足部)
6.8 足底部、中央ライン
6.9 足底部、外側縦アーチ
6.10 足底部、内側縦アーチ
6.11 足底部、母趾球
6.12 中足趾節関節
6.13 足趾ストレッチと回転運動
6.14 足首の回転運動
6.15 中足骨間部
6.16 アキレス腱部
6.17 足首伸展・屈曲運動
6.18 下腿のリラクゼーション
6.19 下肢関節の離開
7)背部の調整
7.1 肩甲骨
7.2 殿部
7.3 脊柱(棘突起)調整
第2章 基本仰臥位
1)下肢
1.1 鼡径部
1.2 大腿前側部、掌圧
1.3 大腿前側部、母指圧
1.4 膝蓋骨周囲部
1.5 大腿内側部、掌圧
1.6 大腿内側部、母指圧
1.7 膝蓋骨内側部
1.8 下腿内側部
1.9 アキレス腱下部
1.10 内果部
1.11 大腿外側部
1.12 脛骨外側部
1.13 腓骨外側部
1.14 足関節部
1.15 足背部
1.16 足趾の回転運動とストレッチ
1.17 足趾部
1.18 足趾の関節運動
1.19 足底の伸展
1.20 下肢の牽引と震顫
2)頭部、顔面
2.1 頭部正中線
2.2 頭頂部
2.3 百会
2.4 前頭部
2.5 眼窩上部
2.6 眼窩下部
2.7 鼻の両側
2.8 頬骨部
2.9 上顎歯肉部
2.10下顎歯肉部
2.11 顔面正中線(3ポイント)
2.12 こめかみ部、片側
2.13 耳前部, 片側
2.14 眼球軽圧
2.15 顔面掌圧
3)頚部
3.1 棘突起ライン、圧+牽引
3.2 後頚部
3.3 側頚部
3.4 前頚部、内縁
3.5 前頚部、外縁
3.6 後・側頭骨下縁
3.7 盆の窪(圧+ストレッチ)
3.8 首の付け根
3.9 肩甲上部
3.10 肩甲上部、肩井
4)胸部
4.1 胸骨部
4.2 胸部
4.3 鎖骨下部、両側
4.4 鎖骨上部、片側
4.5 胸骨中央、膻中
5)上肢
5.1 腋窩部
5.2 上腕内側部
5.3 肘窩部
5.4 前腕内側部
5.5 手根内側部
5.6 手掌部、正中ライン
5.7 手掌部全体
5.8 手掌部、母指球と小指球
5.9 手掌部、労宮ポイント
5.10 三角胸筋溝部
5.11 上腕外側部
5.12 肘窩横紋の外側部
5.13 前腕外側部
5.14 手根外側部
5.15 手背部
5.16 手指部
6)腹部
6.1 腹部、片手掌圧
6.2 腹部、両手重ね掌圧
6.3 腹部、両手母指圧
6.4 「腎」部
6.5 横隔膜部
6.6 S状結腸部
6.7 波状掌圧
6.8 輪状掌圧
6.9 震顫掌圧
6.10 リラクゼーション
第3章 基本座位
なぜ座位指圧が必要なのか
1)準備(ウオーミングアップ)
なぜ座位指圧が必要なのか
1.1 軽擦
1.2 肩関節と肩甲骨の上下・前後運動
1.3 肩をリラックスさせる運動
2)頚部の動き(8方向)
2.1 屈曲
2.2 伸展
2.3 回転
2.4 側屈
2.5 牽引
2.6 圧縮
3)上肢
3.1 上腕内側部
3.2 肘窩部
3.3 前腕内側部
3.4 手根内側部
3.5 手掌部
3.6 手指部(指の腹と背を挟んで加圧)
3.7 前腕の伸展と腕 (前腕、上腕)の震顫
3.8 上腕外側部
3.9 前腕外側部
3.10 手首外側部
3.11 手甲部
3.12 手指部(指の両側)
4)頚部と背部
4.1 側頚部
4.2 後頚部
4.3 後・側頭骨下縁
4.4 首の付け根
4.5 盆の窪1
4.6 盆の窪2
4.7 肩甲上部、左右交互
4.8 肩甲上部、片側
4.9 鎖骨下部と三角胸筋溝部
4.10 肩甲間部、左右交互
4.11 肩甲間部、片側
4.12肩甲骨内側縁 1(膏肓)
4.13肩甲骨内側縁 2(膏肓)
4.14 肩貞
4.15 天宗
4.16 肩甲下部、腰部(両側同時)
4.17 肩甲上部、肩甲間部、腰部への軽擦
5)ストレッチと運動
5.1 脊柱と肩・肘関節
5.2 胸郭を開く 1
5.3 胸郭を開く 2
5.4 上腕三頭筋の伸展
5.5 極泉の伸展
5.6 体側の伸展
5.7 肩貞の 伸展
6)前頚部
6.1 胸鎖乳突筋・内縁
6.2 胸鎖乳突筋・外縁
6.3 胸鎖乳突筋・中央