週刊あはきワールド 2017年4月19日号 No.518

全力で治す東西両医療 第14回

ともともクリニック全力カンファレンス中継(3)

~三井くんが研修にやってきたぞ、君はかっこいい~

 (1)木村朗子(2)三井啓太(3)石川家明 


◎第13回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(2)
      ~医学部5年生三井くんが研修にやってきたぞ~
      (木村朗子・三井啓太・石川家明)
◎第12回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(1)
      ~感冒だと思っていたら「あれ?」が隠されていた症例~
      (木村朗子・荒川和子・石川家明)
◎第11回 熊本災害支援鍼灸治療に参加して
      ~医師・医大生の感想と、現場でのドクターT~
      (横田啓・小沢一世・助川礼・石川家明)
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(1)木村朗子:ともともクリニック院長
(2)三井啓太:自治医科大学医学部5年
(3)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医療研修の会)代表

 自治医大5年生の三井君が正規の大学授業の一環として研修に来てくれました。事前メールでのやりとりや、初日の打合せで今回の研修プログラムについて話し合いました。三井くんは次のようなテーマを自ら決めてくれました。

◎テーマ:The臨床を学ぶ
1)漢方でかっこよく「漢方でカゼを学ぶということは何を知るということか」
2)common diseaseのかっこよい取り扱いかた
3)患者の得体の知れない症状をかっこよく対応する

■膝痛(Common Disease)のかっこよい取り扱いかた

 事前の打合せに「ふつうの病気をかっこよく治せるようになりたい」とのメール返信がありました。後からよくよく聞いてみると、外来実習でよく診る日常病の診療に何かしっくりこない自分に気が付いたようでした。特に、よく見る疾患の一つである膝痛の診療に物足りなさを感じているとのことでした。

三井いや~、何だかどこの実習でも膝痛に関しては通り一遍のような診察で、なんだが腑に落ちないのです。

石川学生の間からよく考えているなあ。マイナーと思われている日常病に着眼しているなんて、なかなか良いセンスですよ。整形外科で、ですか?

三井整形外科といわず、多くの科で腰痛や膝痛は相談されるじゃないですか。

木村そうですね。特に高齢者ではどの科でも診なくてはいけないのが日常病ですから。特に総合医や家庭医などのプライマリケア医と言われている医師ならば、逃れるわけにはいかないですよね。

石川どのような診療だったんだろうか?

三井ちゃんと診ていない気がするのです。「まあ、だましだまし使って行きましょう」とか言っている。

石川あれ! それならば僕も使っちゃっているなあ。(笑)でも、致し方ないときもあるのではないのかな。

三井そうかもしれません。しかし、患部の膝も見ないのですよ。ああ、こんなものかなと。でも、そんな診察を見てきて釈然としないのです。

石川お年寄りたちが訴えているのに、そんな診察じゃ、かっこよくないと思ったのですね?

三井そうなんですよ。なんだかごまかしているようで、治療しているって感じがしなくて。

木村患者が困って訴えているのに、騙しているかのように言葉のみで避けているような印象を受けて、いたたまれなくなったようですね。膝痛の患者さんが毎日たくさんいらっしゃるから?

三井はい。とてもたくさんいらっしゃいます。

石川それじゃ、三井くん、今回は膝をかっこよく診る訓練をしようか?

三井そうしてください。ぜひよろしくお願いいたします。かっこよくなりたいです!

石川わかった。まかしてください。まず、膝が痛い高齢者の前に、宝塚の男役のように片腕を胸に当てながら患者の前に颯爽と、舞台を横に滑るように現れる。

木村先生! そのかっこよさとは違いますが、実演してみてください! でも、こんな事を考えている三井くんがかっこいいと思いますよ。

三井え! そうスか! あ、喜びすぎて、言葉遣いが…

木村「かっこいい」という言葉に、三井くんの理想や未来へのあこがれがよく表れています。

石川そうだよ。学生時代からほんとうに良いセンスをしていて、カッチョイイですよ。

■“かっこよく”診るには、まず触診がしっかりできるようになる

 さっそく膝の診察ができるようになるように5日間の研修プログラムを組みました(表)。まず初日は解剖と膝の診察の仕方を机上で学びました。後は、毎日来院する膝痛患者を一緒に診ていきました。


※拡大表はこちら







木村まず、患者さんを目の前にして一緒に考えられるようになるために、まず解剖と触診を学びましょう。膝を診るためには触診がちゃんとできないといけません。

三井はあ? そうなんですか? そういえば、整形外科医は別にして、患部に触っていないですね? 

石川整形外科的愁訴は、触診がしっかりしなくては鑑別ができないのですよ。診察の名人は問診だけで80%以上の確率で診断が可能であると言われますが、それは内科には当てはまっていても、整形外科では違います。
 

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