週刊あはきワールド 2017年5月17日号 No.522

カラダの欲求と操体の私的解釈 第18回

皮膚の操体の秘密に迫る

 大隈博英 


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それは、操体最大の弱点克服のために始まった?

 操体は基本的に患者自身が動くことで治療をする運動療法として、実質は機能している。ところが、世の中には動きたくても動けない状態の人もいる。その典型がギックリ腰であろう。

 痛くて、凝視して、ピクリとも動けなくなる。

 そんな典型的な症状がギックリ腰である。となると、気持ちよい動きを探す余裕なんか、あるわけがない。治療法が操体法である以上、臨床家は何もできない、お手上げ状態である。

 こんな時、誰が創始したのか、諸説があるようで、私にもわからないのだが、操体全体の歴史からいうと、比較的最近になって、

“患者の皮膚を他動的に術者が操作(ズラすなど)して、快適感覚を引き出し、操法を実現する方法”

が編み出された。それを各臨床家でいろいろな呼び方があるようだが、概ね「皮膚の操体」と呼んでいるようである。

 皮膚の操体はとても応用範囲が広い。基本は掌を患者の身体のどこかにピッタリかつフンワリと貼りつけ、上下左右、回転などの組み合わせで、皮膚を最も気持ちよいと感じる方向へ、最も気持ちよいと感じる強さでズラす。さらに、皮膚から動きの操体法への連動も起きる。他にも、無意識運動(自動運動ともいう、野口の活元運動に似た動きのことである)が出やすいのも特徴である。

 自力健康法的な側面の強い操体法の中では、もっとも普通の施術に近い。そのため、高齢の患者などで、思うように動いてくれないという操体臨床で最も難しい場面の一つで、大きな力を発揮する。ただし、弱点もある。第二次操体法では、気持ちよさが消えるまで、患者には操法(タワメ)を維持してもらう。ところが、大抵は疲れてくるので、そう長時間は続けていられない。しかし、他動的に皮膚をズラすこの方法だと、30分でも1時間でも気持ちよさが消えないままということもありえて、臨床家が疲れ切ってしまいかねないということである。

 また、これは動きの操体法と同様であるが、どの部分の皮膚にアプローチすればよいか、特定しづらいという問題もある。ただ、これは、そもそも操体法で感じる気持ちよさとはどこで感じているのか? ということと密接にかかわる問題でもある。

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