週刊あはきワールド 2017年5月24・31日合併号 No.523

レポート

鍼灸師育成シンポジウム2017の報告

~信頼に足る鍼灸師を目指せ~

ともともクリニック 平岡遼 


 2017年5月4日、日本鍼灸界に多大な影響を与え続けてきた丹澤章八先生の創設した研修塾である「丹塾」が毎年主催している「鍼灸師育成シンポジウム」が今年も行われました。今年は丹澤先生の米寿の記念ということで会場はこれまでの3倍の広さのホールだったにもかかわらず、たくさんの先生方が集まり大盛況のうちに幕を閉じました。今回私は、共済であるTOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)の一員かつ丹塾会員ということでスタッフとして参加いたしましたので、この場を借りて写真を交えながらご報告させていただこうと思います。

■「信頼に足る鍼灸師」について考える一日

 午前と午後の二部構成で行われた本大会、第一部では「Essential Minimum(必要最低限の臨床能力)を考える」と題して、座長にTOMOTOMO代表の石川家明先生を据え、筑波技術大学教授である藤井亮輔先生と明治国際医療大学特任教授である矢野忠先生に鍼灸界の今と未来についてご講演いただきました。その後のシンポジウムでは、日本内経医学会代表の宮川浩也先生、ともともクリニック院長の木村朗子先生を壇上に加え、ご講演の内容を足がかりに白熱した討論が行われました。討論では指定発言者として、鍼灸師の免許取得後に医学部で学び直し、現在医師として活躍されている国分寺ひかり診療所所長の小泉豪先生にもご意見をいただきました。

 昼食後の第二部では、丹澤先生を座長に「医宗一如 ―佐々木宏幹氏のコトバ―」と題して、宗教学者の正木晃先生と曹洞宗祇樹院住職の粟谷良道先生をお招きしてご講演いただき、最後に御三方による鼎談が行われました。さらにシンポジウム後の米寿祝賀式典の中では、謡・丹字太夫(丹澤章八)氏、三味線・菊与志郎氏による常磐津のご披露まで頂戴することができました。

 本大会の内容を要約しますと午前中は、少子超高齢社会を迎えた日本で鍼灸医療のあるべき姿はどうか、このまま行けば鍼灸医療崩壊は必至という中で危機意識を共有してどう食い止めるか、よりよい健康長寿社会を実現するために鍼灸界は何ができるか、というものでした。また、シンポジウムでは鍼灸師の卒前教育にも焦点を当て、決して先の明るくない日本鍼灸の未来について危機感を持った活発な議論が行われました。午後は日本人の死生観から医療と宗教の協働の話にまで及びました。宗教ということで難解なところも少なくありませんでしたが、死が迫った患者さんと対峙する際のなにかしらのヒントを得ることができたのではと思います。

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