週刊あはきワールド 2017年8月9日号 No.533

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.40-2

VDT作業者の眼精疲労と肩こりに対する鍼灸治療

~後頭下筋群と斜角筋からの肩甲背神経へのアプローチ(症例報告と集積結果)~

東京大学医学部附属病院リハビリテーション部鍼灸部門 粕谷大智 


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 前号では、VDT作業者の眼精疲労と肩こりに対して鍼灸治療を行う際の触診法や刺激方法などについて解説した。今号は、その続きで症例と集積結果について報告する。

Ⅰ.症例報告(36歳、女性)

診断名:ステロイド性緑内障。

主訴:肩こり、緑内障による眼圧の上昇(30~40mmHg)、眼窩周辺の痛み。

現病歴:父親の会社の事務職を10年間続けており、PC作業が多く、目の疲れや肩こりを強く自覚していた。2014年頃から視力が低下(左0.2、右0.5)。それまでは、左右(0.8)。昨年、結膜炎の診断よりステロイド点眼を使用。その後、眼圧が40mmHgと上昇し、3週間ほど使用していたステロイド点眼は中止し、眼圧を下げる点眼を使用。しかし、眼圧は一時低下するも、その後安定せず、右が20~30、左が20~42を繰り返す。強膜の菲薄化もあり、原発開放隅角緑内障をベースとしたステロイド性緑内障と診断され、T大眼科でfollowされていたものの眼圧は安定せず、レーザーや手術もリスクが高いため保存療法を継続。担当医から鍼灸治療を勧められ、点眼と鍼灸治療の併用による眼圧のコントロール目的で来室。眼圧の上昇に伴い肩こりや目の疲れも強くなった感じ。

既往歴:25歳のとき、両側耳硬化症にてアブミ骨可動術(鼓室形成術)。現在は補聴器使用。

家族歴:特記なし。

点眼:ミケラン(β遮断薬)、 エイゾプト(炭酸脱水酵素阻害)、ルミガン(プロスタ関連)、低血圧治療薬。

現症:T 152cm、W 45kg、BP 92/50mmHg。

 初診時前日の眼圧の検査結果では左(30 mmHg)、右(23 mmHg)。ここ数カ月は、左25~42、右20~30と変動が大きい。視野が狭い、暗点等は自覚なし。毎日ではないが左眼窩周辺の痛みを自覚。

 日常生活動作(食事、排泄、移動、清潔は自立、コミュニケーションは十分、聴力は40db程度の中等度難聴)。後頚部(後頭下筋群)の圧痛著明。斜角筋部の圧痛と圧迫による肩甲骨内縁への痛み誘発。左顔面の眼窩上切痕部、眼窩下孔部に圧痛あり。

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