週刊あはきワールド 2018年7月4日号 No.576

【新連載】からだに触れる からだで触れる 第1回

からだはいつも空気に触れている

いやしの道協会会長 朽名宗観 


1.からだはいつも空気に触れている

 劇症の腰痛で私の治療院に通う患者が整形外科での診察を受けたところ、医師はレントゲン写真等で病態を説明するばかりで、一度もからだに触れることがなかったと驚いていました。また、がんの患者からは、医師との面談の際、医師がパソコンのデータを見つめるばかりでほとんど自分の顔を見ることがなかったと不平をもらすのを聴いたこともあります。最近の病院では検査機器や化学的検査が発達したため、医師が触診することなく診察の過程が進んでしまい、外科的な処置など以外の治療は薬に委ねることになるので、患者のからだに全く触れないことが珍しいことではなくなっているようです。また、漢方を専門とする医師は、特に日本漢方であれば腹診を重視するので患者のからだに触れる度合は高まりますが、治療の段階ではやはり薬方で応じることになり、「手から離れる」ことになります。

 その点、鍼灸師は診断の段階でも腹診や脈診を用い、治療の段階でも鍼を媒介にするものの患者のからだに触れることを主な手がかりとしながら施術するので、臨床家と患者との「からだ対からだ」の交感は現代医や漢方医と比較してより濃密になる可能性がある立場にあります。そこでの技や感覚を磨くのが鍼灸師の課題となるわけで、鍼灸師は「からだに触れる」ことにより鋭敏であることが求められるでしょう。本稿では、その「人が人のからだに触れる」ことについて、必ずしも臨床の場にかぎることなく、いろいろな方向から探ってみようと思います。
 

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