週刊あはきワールド 2014年11月12日号 No.401

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.8-1

頚椎症はこう治す!(その1)

~抗重力鍼療法による頚椎症治療の概要~

倉敷芸術科学大学教授 内田輝和 


重力の過負荷が原因で起こる症状には抗重力療法が力を発揮する

 まず頚椎症の話に入る前に、抗重力療法(抗重力鍼療法と抗重力手技療法を総称してこう呼んでいる)の説明をしておきたいと思います。

 私達の日常生活は重力を受けて動いています。しかし、普段は重力を受けたことも感じていません。それは動作で重心移動を行うことで重力を上手く逃がしているからです。

 たとえば椅子に座った状態から前かがみになると、まっすぐ座っていたときは下腹の中心にあった重心が、前かがみになることで重心が仙骨の後方に移動します。重心が移動することで頚の前倒しが楽にできるようになります。しかし、長時間の前のめりは10㎏近くある頭部を支えるために、いろいろな部分(筋肉・骨)に負荷がかかることになります。つまり、重心移動と重力負荷の関係がスムーズに行われていれば体にかかる重力負荷が少なくなります。

 頚のC1~C7は副交感神経が、T1~L5は交感神経が、S1~S5は副交感神経が受けもっていますが、重力の過負荷が頚から腰のいずれかにかかれば自律神経の調節に影響し、内臓機能が乱れやすくなります。このような背景により、重力の過負荷がかかるところは自律神経に影響を及ぼします。

 このように、重力の過負荷による症状(疾患)が現れた場合、その過負荷を取り除く処置が必要になりますが、抗重力療法はそのような場面で力を発揮します。起立歩行という人間のみに備わった条件でスムーズな動きをキープするために、抗重力療法が活用できるのです。

頚椎症の原因を見極める

 「日頃から肩こりがひどく、揉んでも一向に良くならない」と来院される方はたくさんいます。しかし、肩こりだと思っていても、実は頚椎の病気だったということがよくあります。原因がわかれば治療方法も変わってきます。頚椎が原因というものには、頚肩腕症候群・斜角筋症候群・肋鎖症候群・頚椎症・頚椎ヘルニアなどがあります。
 

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