週刊あはきワールド 2014年12月3日号 No.404

インタビュー JLOM関連委員会委員長・東郷俊宏氏に聞く File.5

ISO/TC249が日本伝統医学のあり方に問いかけるものは何か(その5)

~灸機器の規格案をめぐる動きと日本の状況~

 【聞き手】あはきワールド編集人 


◎File.1 ISO/TC249が日本伝統医学のあり方に問いかけるものは何か(その1)
       ISO/TC249ってなあに?
◎File.2 ISO/TC249が日本伝統医学のあり方に問いかけるものは何か(その2)
       ISO/TC249が設定された経緯と鍼灸に関連する2つのWGの設置
◎File.3 ISO/TC249が日本伝統医学のあり方に問いかけるものは何か(その3)
       WG3で議論されている滅菌済み単回使用鍼以外の規格案
◎File.4 ISO/TC249が日本伝統医学のあり方に問いかけるものは何か(その4)
       鍼電極低周波治療器の規格案をめぐる動きと日本の状況
 
 前回(2014年10月1日号 No.396)の「インタビュー JLOM関連委員会委員長・東郷俊宏氏に聞く」では、WG4で議論されている「鍼以外の医療機器の安全性と品質に関する規格策定」のうち、主に「鍼電極低周波治療器の規格案をめぐる動きと日本の状況」についての話を掲載しました。今号は、同じWG4で議論されている「灸機器(Moxibustion device)」について、語っていただきます。


東郷俊宏氏
―― 前回は、伝統医学で用いられる鍼以外の医療機器を扱うWG4での鍼電極低周波治療器の国際規格の現況についてお話を伺いました。あれから随分間が空いてしまったのですが、その間何をしていたのですか? まさかこの連載を忘れて遊んでいたんじゃないでしょうね?

東郷すみませんでした。10月は初旬にISO/TC215の会議でベルリンに、下旬は伝統鍼灸学会でISOにおける活動報告をさせていただきました。その一週間後には台北で国際東洋医学会が開催されていたので、こちらでも近代における日本鍼灸の展開についてお話しさせていただくなど慌ただしくしていたのです。

―― お忙しかったのですね。それで今日はどんなお話をしていただけるのですか?

東郷今日は前回に引き続いてWG4で規格開発の対象となっている「灸機器(Moxibustion device)」についてお話ししたいと思います。

―― これも第2回全体会議がオランダで開催された時に優先順位の高いものとして挙げられたのですよね? 日本はお灸が盛んな国ですが、日本からは提案は出さなかったのですか?

日本が灸機器の提案をしなかった理由

東郷確かに日本はお灸が盛んで直接灸に使用するモグサなどは他国の追随を許さないほどの品質です。けれども日本では「温灸器」については医療機器の認証基準があるものの、モグサ自体は医療機器ではないこと、また熱源としてのもぐさの規格を作ること自体が難しいこと、さらに国内でも直接灸用のもぐさの消費量は減少傾向にあり、規格を作るために様々なコストをかけることにためらいがあったためです。
 

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