週刊あはきワールド 2015年1月14日号 No.409

解剖学に基づくアスリートの身体の見方・治し方 第8回

前腕の筋肉の見方と治療法

ATC&鍼灸師 山下貴士 


前腕の筋の進化と特徴

 前腕の筋肉は主に肘に起始しており、手首の動きをつかさどるものが多くあります。前腕の動きで特徴的なのは、橈骨と尺骨の間で行われる回内運動と回外運動です。人間が進化の過程で、手を起用に使う必要性から、この動きを獲得したのかもしれません。下腿にも脛骨と脛骨がありますが、これらの骨の間で回内回外のねじる運動は起きません。下腿は人間の二足歩行というその機能により、可動性を排除し、より安定性を重視した構造になったではないでしょうか。

 さて、手を多く使うことにより、前腕に回内、回外運動も可能になり、前腕の筋肉は、大きな力を生み出すというより、細かい作業を行うように進化してきました。そのため、回外、回内運動を伴いながら、非日常的な大きな負荷がかかるような動きは、当然、肘や手首の損傷につながります。特に肘や手に対しては、体力不足や悪いフォームのままスポーツを行うことは、障害リスクをきわめて高くするのです。

前腕の関係するスポーツ障害

 前腕の筋が関係する代表的なスポーツ障害に、内側と外側テニス肘があります。正式には内側上顆炎、外側上顆炎です。これらの障害は、肘の使い方が悪いというより、手首の使い方が悪いときにも障害を受けます。つまり、手首を動かす筋肉は肘に起始しているのです。これは、肘を動かす上腕二頭筋、上腕三頭筋が肩に起始しており、肩の障害に関係していたことに似ています。

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