週刊あはきワールド 2015年2月18日号 No.414

〈黄帝と老子〉雑観 第14回

天数を修める者は三、五に通ずべし

『黄帝内経』の謎を解く鍵は数術にある(その2)

『黄帝内経』研究家 松田博公 


 
 『黄帝内経』(現存『素問』『霊枢』の便宜的な総称)を理解するには、数術を知らなくてはならない。しかし、そのような『内経』研究は、日本ではほとんど関心を持たれてこなかった。では、中国ではどうか。中国でも歴代の『内経』注釈、あまたある中で特に数術に視点を据えたものは管見に入らない。この領域を新たに切り開き、『内経』思想の宇宙論的な深みに至ろうとする試みは、台湾の医史学者、李建民の著書『死生之域─周秦漢脉学之源流』(台北:中央研究院歴史語言研究所,2000)や重慶医科大学中医薬学院の中医師、卓廉士の最近の仕事のほか、まだ多くはないのが現状である。(李建民の著書は、『発現古脉─中国古典医学与数術身体観』という題の修訂版が中国で出ている。社会科学文献出版社,2007)

 卓廉士の存在は、日本内経医学会の荒川緑先生から教えていただいた。荒川先生は、慧眼にも卓廉士の論文「古代数術から見た経脈の長さと営気の流注」(『中国針灸』2008年8月第28巻第8期)に着目し、翻訳しておられたが、その訳文を提供してくださったのである。この論文の中で卓廉士は、「経脈の長短寸尺と営気の流注度数は、いずれも数術から演繹されたものであり、目的は天人間の密接にして不可分な感応関係を建てることであった。数術を証明するすべがない以上、営気の流注に関する研究についても、実証科学の方法を採用するのはふさわしくない」と述べている。(上記を含め同論文からの引用は、基本的に荒川先生訳を踏襲する)
 

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