週刊あはきワールド 2015年3月4日号 No.416

鍼灸学校ここがおかしい!~ペーパー鍼灸師からの苦言と提言 第8回

人間教育を軽視する不見識

元毎日新聞記者(現ペーパー鍼灸師) 山田寿彦 


 
 2年生(2012年)の5月下旬、2日間の日程で学園祭が開かれた。「第38回」の冠が付いた伝統行事でありながら、4年ぶりの開催であった。年寄りの出る幕ではないと思ったのだが、実行委統括として采配を振るうことになり、図らずも、学校の妙ちきりんな生態を見せつけられる機会となった。

学生アンケートで学園祭開催を決定

 前の年、1年生の11月ごろ、学園祭開催の賛否を問うアンケート用紙が学校から配られた。学園祭をやりたいか、やりたくないか、理由を含めて書けという。「『やりたい』が過半数に達したら学園祭をやる。達しなかったらやらない」と担任教員は説明した。

 妙なアンケートを取るものだと思いながら、私は賛成票を投じた。学校を地域に開くことは大事なことであるし、一つの行事を学生が力を合わせて作り上げる意義の大きさを考えれば、開催した方がいいに決まっている、と単純に考えたからだ。

 後日、担任から「『やりたい』が過半数に達したので学園祭をやることになった」と結果が報告された。賛成した責任から実行委員を引き受けた。日程は学校側が設定し、初日の企画は学生に任せるが、2日目は学術講演会にするという学校側の意向が示された。

 年が明けた1月26日、最初の実行委員会が開かれた。学校には名ばかりの学生自治組織「学友会」があった。2年生の学友会長が形式上の実行委員長になったが、学校側から「2年生は勉強が忙しくなるので、学園祭は1年生が中心になってもらいたい」と要請され、年の功で私が全体の統括役にしゃしゃり出ることになった。予算編成→企画→準備→実行→会計決算→総括という大まかな流れを常識的に想定した。

 3月8日に2度目の実行委員会。すぐに春休みに突入した。4月上旬に新学期が始まると、残された準備期間は1カ月半しかない。何せ4年ぶりの開催なので、新3年生も学園祭を知らない。ノウハウの継承が断たれていると、スタートダッシュが重くなる。

「学校の外に宣伝するな」

 イラストの得意な学生が腕を振るい、見栄えのする立派なポスターが出来上がった。他校に周知したり、地元行政広報紙への掲載依頼、最寄り駅や町内会の掲示板にポスターを掲示したりと考えていたら、学校から事務を通じて突然の指示があった。「ポスター掲示は校内だけにとどめ、校外に宣伝してはならないと校長先生が言っています」という。耳を疑った。これでは何のための学園祭か分からない。

 「町内会の掲示板に張らせてもらうぐらいはいいんでしょう?」と尋ねると、「うちの学校は町内会との関係がうまくいっていないので、それもやめて下さい」という返事であった。校長は学校の近所に邸宅を構える地域住民であるのに、何ということだろう。この学校の正体見たり、という思いがした。

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