週刊あはきワールド 2015年3月11日号 No.417

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.12-1

腰痛はこう治す!(その1)

~急性および慢性の腰痛に対する私の鍼灸治療~

いやしの道協会顧問、東洋鍼灸専門学校非常勤講師 大浦慈観 


養生のアドバイス

 急性腰痛(ぎっくり腰)の起こる時期は、寒暖差の多い時期です。春先の2月中旬~4月末、秋口の9月下旬~11月末は特に多発する時期ですから、患者さんにはよく注意を促す必要があります。

 春先に氷や雪が解け出すように、固まっていた筋肉も次第にほぐれていきます。しかし、表層の筋肉はゆるんできても深層の筋肉は硬いままだったり、右側と左側、あるいは上背部と下の腰部とで筋肉の緊張度がアンバランスだったりしており、動き出すには極めて不安定な状態なのです。

 秋口には急に気温が低下し、寒さに対して体の血液循環調節がまだ慣れていませんから、血行不良と冷えから筋緊張も強まります。それが日ごとに変化し、一日のうちにも朝晩と日中との気温差が10度近くもなると、背筋はこわばり腰への負担も大きくなるのです。この時期、腰痛持ちの人はストレッチをよく行い、軽い散歩や運動を行い、血行をよくして筋肉の柔軟性を保つよう工夫するとよいでしょう。

 また年末年始ともなると仕事が急激に忙しくなり、主婦も寒さの中、家事に追われ、汗をかいては体が冷え、疲れもたまり、ぎっくり腰を起こしやすい状況となります。体を動かしているうちは気づかないのですが、休んだ後で動き出そうとしても痛みで動けなくなるケースがあります。

 腰痛は寒い時期だけではありません。サラリーマンやOLさんは、夏場に冷房のよく効いた部屋で長時間デスクワークを行うことも一般的です。体を動かさないまま背中や腰の筋肉を冷やし過ぎた後で、次の日の朝、起きようとしても起きられないケースがあります。また前夜に友人たちとビールを飲み過ぎたりしてお腹をトコトン冷やし、次の日の朝に顔を洗おうとしてぎっくり腰となるケースもよくあります。腰痛持ちの患者さんには、冷房の効き過ぎや、暴飲暴食には気をつけるよう指導しましょう。

 氷を手でしばらく握っていてみてください。手のひらだけでなく、腕や肩まで突っ張ってきて、容易には筋緊張がほぐれないまま持続します。下肢や足首がクーラーの冷気で冷やされ続けても、ラジエーターのように冷やされた血液が戻っていくところである腰や腹の深部の筋肉は冷えて緊張します。ましてや氷水のようなアルコールを多量にお腹につめ込めば、腹も腰も芯から冷えてしまいます。深部の冷えた筋肉はお風呂に入っても容易には温まりません。そして次の朝の惨劇を迎えるのです。一度ぎっくり腰を経験し、こうした注意点を指導された患者さんは、二度と繰り返すこともなくなるでしょう。「怪しいかな」と思うと、信頼できる治療院を早めに訪れてケアするようになります。

鍼灸による治療

 急性期のぎっくり腰(=筋筋膜性疼痛)と、慢性期の筋肉の強ばりによる腰痛では、鍼灸治療の方法は極端に異なります。急性なのか慢性なのかはすぐ区別できますが、急性から慢性への移行期には鑑別をしっかり行わないと、思うような改善が得られないまま長引くことがあります。要は、炎症が主なのか、冷えた強ばりが主なのか、寒熱の区別をつけることが重要なのです。

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