週刊あはきワールド 2015年4月15日号 No.422

在宅ケア奮闘記 その100

満開の桜の下で吸引機の電源が落ちた!

寝たきり胃瘻患者だったSさん念願のお花見珍道中記

訪問リハビリ研究センター代表 西村久代 


 
 とうとう100回になってしまった。患者さんとの間でのほほんと交わした会話や、患者さんと触れ合うことで教えてもらった人生。さまざまな事を書き綴ってきた。毎日が発見で毎日が予習復習で。一日として同じ日は全くない。

 この仕事をして良かった。とても充実した毎日を送っていると実感している。これからもお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

動かすことで人間は生き返る

 さて、1年4カ月ほどになる患者さん。完璧な寝たきりで胃瘻をしていて絶えず吸引をしていないといけなかったSさんが、少しずつ少しずつ動かし始めて座位ができるようになり、介助で立位、今ではベッドの手すりを持って、私が体重を前から支えて50回の足踏みを4セットできるようになっている。

 唾を飲み込むのができないので、絶えず吸引チューブをくわえている。胃瘻していても食事を口からできるようになっている。医師に許可を得て、最初はうどんをよく煮て2cmをおっかなびっくりで食べさせたが、今ではかなりの量を食べられるようになっている。噛んで食べることがどれだけおいしいか。どれだけ体の栄養状態が良くなっているか。

 動かすことで人間は生き返るのだと思った。声も出なくて何を言っているのか、意味をつかむのにとても苦労したが、今は私が帰るとき大きな声で「ありがとう!」「ありがとう!」をずっと繰り返して送り出してくれる。

 普通に会話もできるし、しばらくの間は一人でベッドの柵を持って座っていることもできている。奥さんと二人暮らしでとても仲の良いご夫婦だ。

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