週刊あはきワールド 2015年5月13日号 No.425

解剖学に基づくアスリートの身体の見方・治し方 第12回

体幹の運動器疾患へのエクササイズリハビリテーション

~腹圧アップした状態での動的トレーニング その1~

ATC&鍼灸師 山下貴士 


腹圧アップの次に考えること

 腹圧を上げると、腰椎の安定性が増し、構造的にダメージを受けていない腰痛は改善します。この理論に基づき、多くの腹圧を上げるエクササイズが考案され実施されています。しかしながら、腹圧を上げるエクササイズをしっかり行っているにもかかわらず、腰痛の軽減が見られないケースもあります。それは、特定の姿勢なら腹圧を維持できるのだけれど、動くとすぐに腹圧が抜けてしまうからかもしれません。

 よくある、リハビリやコアトレーニングの間違いは、腹圧を上げるトレーニングを行うときに、全身を固めて行ってしまうことです。確かに、リハビリの初期では、腹圧自体を入れる感覚をつかみづらいので、体の他の部位も硬くして、腹圧トレーニングを行う時期もあります。しかしながら、実際の日常生活やスポーツでは、全身を固めて腹圧を高めても、動く事が出来ないので、あまり意味がありません。実際には、動きの中で腹圧が入っていなければ、役には立ちません。私は、ベンチプレスで、100kgを持ち上げれるようなアメフト選手が、空の段ボール箱を持っただけで、ぎっくり腰になった話を聞いたことがあります。彼は、体を固くし準備してからは、腹圧を高め大きな力を発揮することはできたのですが、瞬時に腹圧を高めて腰椎を安定させることが出来なかったために、腰を痛めてしまったのです。
 リハビリエクササイズとしては、腹圧が入った状態で、手足を動かすという練習が大切です。もっというと、手足だけでなく、胸郭や股関節が動く練習を行わなくてはなりません。

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