週刊あはきワールド 2015年6月10日号 No.429

随想

Subcultural Acupuncture (その4)

~片手挿管はいらない~

Body & Soul 箕輪政博 


◎その1 長崎を想う

1.想起

 S社の宣伝マンではないのだが、JSPタイプの鍼はいい。鍼先を改良したというJSPは、ほぼ痛みなく鍼治療できるし、刺したまたは刺された感覚もいい。この鍼で痛みを伴う治療しかできないものは鍼師を辞めた方がいい。現代の鍼灸臨床では、ディスポーザブル鍼(ディスポ鍼)がメインであることは周知の事実である。安全で衛生的そして苦痛が少ない鍼灸臨床は国民のニーズだろう。

 オートクレイブ滅菌に不向きな銀鍼にこだわるのは自由である。そのこだわりで患者に苦痛を与えているとしたらナンセンスな話。道具や流儀にこだわることで治療成績に有意差があるのだろうか。鍼灸師の自己満足より、技術立国日本の生んだクールでスマートなツールを用いる方が合理的である場合も多い。

 筆者は一昔前の鍼灸学校教育を受けた。今でも実践されているであろう、片手挿管による銀鍼を捻鍼法で刺入するというスタイルである。しかし、今の自身の臨床では鍼管付きディスポ鍼がメインであるし、シングルユースの原則からも片手挿管する場面はほとんどない。

 江戸時代から続くという片手挿管法修得のために、(通学電車内などで)折った鍼柄を使って何度も片手挿管の練習をしたのは何だったのか? 1分間に何回片手挿管できるか試された意味とは? そもそも、片手挿管法の目的とは? そして、今後も教育で必要なのか?

 伝統的だと思われているこの方法に愛着や執着をお持ちの方々からのバッシンクを覚悟でアンチテーゼしてみる。

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