週刊あはきワールド 2015年7月1日号 No.432

『「直立二足歩行」による障害とその針灸治療』へのいざない

「直立二足歩行」が原因の体幹機能障害の症状を取り去るのには針灸治療が力を発揮する

『「直立二足歩行」による障害とその針灸治療』の「はじめに」より

 西田皓一 


 このほど、『「直立二足歩行」による障害とその針灸治療』を上梓いたしました。ここでは、本の紹介を兼ねて、本書の「はじめに」を転載させていただきます。(編集部)

はじめに
~人類の苦しみは主に「直立二足歩行」が原因している~

身体の正中線(体幹部)上に異常を訴える症状が多いのはなぜか 
「直立二足歩行」による障害とその針灸治療(西田皓一著) 著者は医師として臨床経験を重ねること、約45年。また日常の診療に東洋医学と現代医学と併用して患者を診療し始めて約40年になる。

 このような毎日の診療の中で、患者さんの訴える症状は、肩こり、頚背部痛、腰痛、膝関節痛など、身体の正中線(体幹部)上に異常を訴える症状が最も多い

 循環器疾患を専門とする著者にとっては、上記のような専門外の病気や症状を治すことを要求されるので、これらの症状に対応することに苦慮していた。

 約45年前に、ふとした出合いから東洋医学の存在を知り日常の診療にも針灸治療を応用し、治療経験を積み重ねてきた。

 このような身体の正中線(体幹部)上に異常を訴える症状が多いのはなぜかと、疑問を持ち続けていた。

人類の悩みは“直立二足歩行”が原因だった
 ある日、奈良貴史氏の「直立二足歩行」に関する文献を読んだとき、「アッ、このような一連の症状は、“直立二足歩行”に原因して人類の悩みになっているのだ…。今まで人類は“直立二足歩行”のメリットだけに注目していたが、このような症状が多いのは、“直立二足歩行”のデメリットのせいだ。そのために人々は苦しんでいる」。そのことが理解できた。今までの暗雲が一気に解消したのである。

 人類は「直立二足歩行」することによって上肢を利用することができ、物を作ったり、頭脳を発達させて、哺乳動物の中では最も地球上を支配することができるようになった。しかし「直立二足歩行」に弊害があるからと言って、今さら四足歩行してゴリラ歩きはできない。

 難産、内臓下垂、精神病の多発、人類に多発する癌など、「直立二足歩行」のデメリットの問題点は多々あるが、ここでは、「直立二足歩行」のデメリットのうち主に体幹(コア・core)が障害された疾患の治療を中心に考えてみたい。

体幹機能障害の症状を取り去るのに針灸治療が力を発揮する
 「体幹」は主に骨組織と筋肉組織、それに付随する神経組織から成り立っている。それに胸腹部の内臓からの影響も受けている。しかし体幹障害を来す部位は、主に骨組織と筋肉組織である。

 人類の体幹機能障害のうちで、重力負荷のために骨組織に異常を来した疾患には、現代整形外科が大きい力を発揮する。しかし、手術の対象にならない体幹の異常には針灸治療で強い鎮痛効果が得られる。また重力負荷のために生じた循環障害・瘀血(静脈系末梢循環障害)には刺絡が即効効果を発揮することができる。このような状況では、東洋医学の針灸治療が体幹機能障害の症状を取り去ることが最も得意である。

 また「直立二足歩行」によって生じた障害を予防する体操も紹介したい。ヨガのポーズを用いたものである。

 著者が10~20年くらい続けている運動である。特徴は脊柱がボリボリと鳴ると気持ちが良いので、脊柱の間の靭帯や筋肉が微妙に緩んでいるらしい。詳細なポーズは文面では紹介できないが、毎朝40~50分ぐらいかけてゆっくり楽しんでいる。このためか、著者は今のところ、腰痛や肩こりに悩まされることはない。

 このような「直立二足歩行」の弊害に世間は気づいているらしく、最近では、コア・ポールを用いた運動療法や、コア・トレーニングという体幹(コア・core)を鍛える運動も紹介されるようになっている。

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