週刊あはきワールド 2015年7月8日号 No.433

随想

Subcultural Acupuncture (その5)

~開業という人生~

Body & Soul 箕輪政博 


◎その1 長崎を想う

1.想起

 共同開業者から開業経営権を引き継ぎ、一人院長として再スタートを切った教え子と懇談した。純粋な鍼灸マッサージ治療院として切り盛りして1年半、幸い順調な経営で、1カ月に150人以上の患者を診ているという。東京多摩地区、駅近の繁華街に元からあった治療院はフロアが広いため家賃が相応であり(一人院長には相当高い)、引き継ぎの相談をされた際にも経費面がネックであった。相場的な施術料を頂き、経費をクリアし本人も十分な収入を得ているという現状。なによりである。この道そろそろ20年、人柄も良く、技術研鑽にも熱心だったので、ある程度の成功は予想していた筆者も胸をなでおろしている。

 患者の動向で一喜一憂する日々は今でもあるという。金銭的な数字を聞けば、現況を成功と言うには、誰にも恥ずかしくない実績だと思う。派手な広告やチラシは打たず、時候のはがきや趣味的な心温まる治療院新聞、そしてなによりも患者への愛と感謝に満ちた経営が特徴的だ。「患者から逆に心配してもらってます」という人情味が効を奏している。40歳代、まだまだいける。このまま、徐々に患者数を増やすことが大事であると助言したものの、「先生から太鼓判を押され安心しました。でも、安定志向はだめなんです。攻めのスタイルが大事なんですよ」となかなかいいことを言う。

 開業という人生、なかなか魅力的だ。

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる