週刊あはきワールド 2015年7月22・29日合併号 No.435

Let’s はりきゅう遊学 第15話

美容の灸

~副産物・クマ取りの灸・求嗣(きゅうし)~

お灸とハリ治療の専門家 福島哲也 


 
 先日、某鍼灸学校の卒後研修講座で「深谷灸の実践と美容治療について」という講演を行いました。タイトルに「美容」という撒き餌(キーワード)を入れると、受講生の集まりかたがよいそうです。近年、美容目的に特化した施術を提供している鍼灸院をよくみかけますが、いわゆる顔面美容鍼(顔面部への刺鍼のみ)メインの施術で、クライアントが満足できる効果(直後効果だけではなく、持続効果も)はどの程度あるのでしょうか? 私は、そのようなアプローチでの施術をしたことがないので、何ともコメントできませんが、これを巷で日々、実践されている先生からの正直な回答をお待ちしております。

副産物

 鍼灸施術の美容分野への応用は、平成の世になって初めて行われたわけではありません。昭和の名灸師・深谷伊三郎は、戦前(いまから70年以上前)に「美容の灸」を行っていたようです。『お灸で病気を治した話(灸堂臨床余録)・第1集』の「美容の灸」の項では、深谷が不妊で悩む沢山の女性に「子宝の灸」を施したときのエピソードが綴られています。

 このとき、深谷が用いたツボは「中条流子はらみの灸」というところで、その取穴法は、「口角の一端から鼻尖下へ上がり、他の口角までを測り、それを一辺の長さとして正三角形を作り、その三角形の頂点を臍に当て、底角二ヵ所を穴処とする」です。経穴名でいえば、ほぼ陽明胃経の水道穴に当たるところです。

 同書によると、以下の2例の失敗例では、「子どもは授からなかったが、非常に喜んでもらった副産物(以下のような美容的な効果)を生じた」そうです。
 

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