週刊あはきワールド 2015年7月22・29日合併号 No.435

活きたツボを捉える切経探穴法 第16回

運動器系疾患の診察診断治療の実際その2

~補足と質疑応答~

蓬治療所 戸ヶ﨑正男 


はじめに

 前号を読んだ読者から次のような感想と質問が寄せられました。

 「恥ずかしい質問というか感想なのです。戸ヶ崎先生のご見識、長年の臨床経験に基づく理論は大変貴重だと尊敬申し上げていますが、私のような名ばかりの鍼灸師には最初からお手上げであると正直に申し上げます。

 脈診できません。ツボの虚実の識別もできません。取穴も怪しい。腹診も分かりません。身体観察もどこをどう見るのか、よく分かりません。気の存在は信じていますが、体感できません。自分が鍼灸治療を受けて効果を実感したこともありません。そんなぶざまな鍼灸師でも、膝関節症の患者に対して最低限できることを例示していただけないものかなと思った次第です。

 個人的に入門した師匠は『どうしていいか分からない患者が来たら中脘、脾兪、胃兪に徹底的にお灸しろ。良くなることがあっても悪くなることはないから』と言います。とても大ざっぱですが、難しい患者に対して最初からゼロ回答しなくていいので、いささかほっとさせられる言葉です。

 効果は大きくなくても、ちょっと試してみたくなるような、いささかマニュアル的であってもシンプルな診断法・治療法も最大公約数的に併記していただくと、ありがたく存じます。『そんなものない』とおっしゃられれば、我が身を恥じ入るばかりで、お返しする言葉もございません。」

 毎回、臨床や講演等忙しい中で執筆していて、いつもぎりぎりで原稿を週刊『あはきワールド』に入れていますが、前月は特に忙しく、内心、不親切な、説明不足な原稿だと思っていました。締切のことがあったので、書き足さず出しました。案の定質問が来たわけです。

 今回は、先ず私が説明不足であると思っていることを書き足し、次に読者の質問にお答えします。従って、今号は「運動器系疾患の診察診断治療の実際その2―補足と質疑応答-」とします。

 なお、この質問の読者にはすでに回答済みですが、同じような疑問を持たれた読者も多いのではないかと考え、この質問の読者に今号に載せる同意を得ました。そればかりか、実名で載せてもよいともおっしゃっていただいたのですが、それにより問題が波及することを恐れて載せないことにします。

1.体質(気質)の捉え方

 前号の“2.診断(表3)”の項にある「患者さんの気質は安定しているという印象。静的体質は良好であるが、捻れ姿勢が体質不良の一つとなっています(図1の①・⑤・⑥・⑦・⑧・⑨・⑩)。動的体質は全体的に良好であるが、少し趣味が高じているようなので、中等度以下と判断します」という文章の理解には青字の内容が分からなければなりません。

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