週刊あはきワールド 2015年8月12日号 No.437

解剖学に基づくアスリートの身体の見方・治し方 第15回

股関節 その1

~腰椎伸展時痛に対しての機能的エクササイズ~

ATC&鍼灸師 山下貴士 


股関節と腰痛

 スポーツ障害としての腰痛に対して治療のエクササイズを組み立てるときに、股関節のエクササイズを抜きにして考えることはできません。これは、ほとんどのスポーツは、両脚を介して、重力を体幹に伝え、その力をボールや相手に伝える動作が基本になっており、この脚と体幹を結びつけるのが、股関節だからです。ですから、股関節の使い方の良し悪しで、スポーツのうまい下手が、決まるといっても過言ではありません。また、同時に股関節の使い方次第で、けがの予防になったり、けがの原因になったりもします。

股関節の構造と役割

 股関節は、肩関節と同じで、球関節の構造をしており、基本的には三次元上どの方向にも動きます。股関節の可動域は肩関節ほど広くはありませんが、比較的大きく動きます。しかしながら、どの関節にもいえることですが、使わない可動域は失われることになるので、股関節の可動域も狭くなっている場合が多くあります。特に注意したいのが、股関節伸展の可動域の減少です。

 私たちは現在、椅子に座る機会の多い生活スタイルをもっています。スポーツをしているかどうかにかかわらず、1時間以上続けて座ることは当たり前でしょうし、1日の1/3くらいは座って過ごしている人も普通だと思います。その結果、ほとんどの人は股関節90°屈曲位で過ごす時間が多くなり、結果として、伸展位での可動域が失われてしまうのです。

 このような人が走ったり歩いたりするときには、股関節伸展ができないために、通常は矢状面上の他の関節の可動域を使って、動きを代償します。多くの場合、それは腰椎の伸展運動によって代償されます。これが、腰椎の伸展時痛の発生のメカニズムの1つです。

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