週刊あはきワールド 2015年8月12日号 No.437

気の医学 臨床から診た世界 第8回

医人の姿勢

美的健康サロン 鍼灸希心院院長 安達一彩 


◎第3回 断腸の思い

第一話 恬淡虚無

 東洋医学お勧めの心といえば「恬淡虚無」(てんたんきょむ)ですね。「恬淡虚無の心境になれば、生命エネルギーがスムーズに流れ、精神活動も旺盛になり、病に侵されることがない」と訳しました。(黄帝内経•上古天真論 •「恬淡虚無なれば、真気之に従い、精神内に守り、病いづくんぞ従い来たらん」)

 「物に執着せず心安らかな心境をいう」とされています。この心境は、平常心、平静心、中道の心とも言えるでしょう。これにプラスして、医療に携わる人から癒治のエネルギーが発せられ、患者さんが安心して来られ、人や情報が自然と寄ってくる。となれば言うことない、という感じですね。

 心の領域ですから、ハートの徳目として学ぶ必要がありますが、この心境に達する方法として、姿勢からアプローチする方法があります。それを「医人の姿勢」(道引の姿勢)としました。カラダを求心性に持っていくことによって得られ、調和の原理にもとづく姿勢を言います。

第二話 気の道とハンドセンサー

 36歳の時、東洋鍼灸専門学校を卒業し、鍼灸師の資格をとり、その年の5月に開業しました。鍼灸を専門的に学ぶにはI先生の主宰する勉強会に出た方がよいとの勧めを受けて、毎月1回行っているH会にいくことにしました。すでに開業されている先生方が多く盛況でした。その場所は東京の池袋です。

 勉強会の後、お決まりの飲み会に誘われました。歓迎会を兼ねるというので楽しみにしていました。先輩方の後についていけばよいだろうと気楽に思い、場所を聞かないまま外に出て、ウロウロしていると、先輩方が見えなくなり失念したのです。宴席の行き先が分からなくなりました。

 困ってしまい、専門学校時の同級生のM女子に「どうする、行き先が分からない、帰るか」と言うと。「安達チャン、本当に分からないの。鈍感ね。そんなの簡単よ」と言って、サッと手をかざして、手の甲を下に、手のひらを上に向け、横方向に手をかざして、何やら探っているのです。「コッチよ」と誘います。「本当かな」と思いながらついて行きました。人通りの大きな交差点に出ました。こんなザワザワしていたら、いくら気に敏感なM女子でも分からないのではと思ったところ。交差点の向かい側のビルを指差し「あそこ」と言います。またまた「本当かよ」と思いながら、ついていき、ビルのエレベーターに入ると、4階か5階かいまは思い出せないのですが、そのどちらかの行き先のボタンを押して扉が開くと、何と先輩方がすでに宴席に座って飲み始めているのが目に入りました。

 この時は、ビックリしましたね。今までの常識が「サラッと」と崩れる感じを受けました。手を使うだけで、手でサーチするだけで行き先が分かるということを体験したのです。人間には不思議な力があるのだと改めて知った瞬間です。M女子は「凄いひとだな」と改めて思いました。

 それと同時に、人間には行き先が用意されて、エネルギー的に道がついているのだとも感じました。自分の行く道は頭で考える前に用意されていると確信を得ました。

 今は私でも手をかざして行き先を知るハンドセンサーはできます。それは精妙なエネルギーを感じて、どちらかと言うと、涼しく気を感じるほうにですが、圧力を感じないで、スッと体が移動する方向に向かうのです。そうすると自分の希望する行き先に案内されるというものです。

 全ての人には、気の道がある。これを使えるようになると人間の生き方がもっと気楽になります。頭で考えるのではなくても行き先が分かり導かれる。不思議な感覚ですが、カラダを求心性にもっていき、エネルギーに敏感になると誰でもできます。ちょっとトレーニングすれば可能なので、あなたも挑戦してみてはいかがでしょうか。

 これを身につけると、カラダの診断や治療するときにももちろん役立ちます。

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