週刊あはきワールド 2015年8月19日号 No.438

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.17-2

難治性疼痛疾患に挑む(その2)

~鍼灸治療と西洋医学との協同・その症例~

TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西医療研修の会)代表 石川家明 


「痛みを我慢させない」に変わってきた

 拙稿を書いている時にちょうど興味深いニュースが入ってきた。「痛みが神経の病気を悪化させる」という北海道大学のPRESS RELEASEだ。痛みそのものが病気を進行させることを実証したという。多発性硬化症のマウスモデルで痛み刺激を与えると本症状が悪化して、逆に鎮痛剤を与えるとその症状が改善した。痛みは病の副産物ではなく、病を直接進行させる因子であるとのことである。

 経験のある臨床実施者であるならば多くの人が合点のいくニュースなのではないか。多くの慢性疼痛の患者に触れていると、多くの治療者が初期のうちに痛みと炎症を抑えておけば、難治な慢性疼痛にならない症例があるという確信を持つような経験を積んできたはずである。関節リウマチ、三叉神経痛、ヘルペス後神経痛、難治な坐骨神経痛などなどである。

 また、鍼灸で早期の関節リウマチを「治した」経験のある年配の治療家は大勢いるに違いない。40年前の鍼灸院にはリウマチの患者さんが、喘息の患者さんと共にいつも何人かいたものだった。軽いうちに炎症を抑えることができれば、治癒してしまう関節リウマチの一群がいるはずだという確信があった。

 しかし、当時早期患者を関節リウマチで有名な大病院へ送ったら「うちはこんな簡単な関節リウマチ患者が来るところではない」と叱られたということもあった。当時若かった小生は義憤で患者と共に「じゃあ、お前達は治せるのか!」とキレていたものだった。

 今では関節リウマチ診療はすっかり様変わりして早期発見、早期治療に加えて、その治療薬も革命的な変化をもたらしている。病の進行を抑えるばかりではなくて、昔日ならば歩いていない患者が朝から趣味や実益と闊歩しているのである。手足の関節があんなに変形してしまっているのにと、その痛みコントロールの進歩には驚くばかりである。

 こうして痛みや炎症は初期のうちに叩けば、抑えやすく難治化しにくいことが判明してきた。そのため、如何に早期に炎症のピークを抑えることができるかが、痛みを取る戦略の大事な勘所となる。つまり痛みは我慢することを強いてはいけない。できるだけ早期に取ってあげる治療が大切である。

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