週刊あはきワールド 2015年10月21日号 No.446

第1回マッスル鍼法セミナーへのいざないⅠ

マッスル鍼法セミナーの概要

あんしん堂鍼灸院院長 宮村健二 


 新しい本『マッスル鍼法』が出版されました。著者として望外の喜びです。この本は、3年前に出版された『手渡しで伝えたい情報コーディネート鍼灸』を母体とし、それを実践に合わせて具体化する形で誕生の運びとなりました。

 『手渡しで伝えたい 情報コーディネート鍼灸』では、自然治癒を進めるために生体が必要としている情報を鍼灸で発信・供給するという情報コーディネートの理論を提唱しています。読者の方々から、興味深いとか共感できるなど肯定的なご意見を多数いただきました。一方、各論的に臨床現場の実践に即した実技を示してほしいとの要望も多く寄せられました。そこで、この要望を最大のモチベーションとして、2冊目に当たる本書の執筆に着手しました。

 臨床現場の実践に即した実技といっても、候補はいくつか考えられます。消炎鍼灸・転調鍼灸・反射鍼灸などですが、検討の結果「筋に刺鍼し、筋内微小循環の改善を図る鍼」を取り上げることとしました。平板にいえば、筋のこりを取る鍼、筋の痛みを取る鍼ということです。臨床で用いる頻度が高いこと、質的にみて鍼臨床の原点と考えられること、それでいて実技の科学的体系化に課題があり研究・改革の余地が大きいと認められること、以上が選択の理由です。そしてこの「筋に刺鍼し、筋内微小循環の改善を図る鍼」を「マッスル鍼法」と名付け、本書の表題としました。また、本書の内容は、筆者が主宰するあんしん堂鍼灸院において研究・開発した関連の技術を満載して読者の便に供し、それをもって技術の普及に資することとしました。

 ところで、本は文字と挿絵(本書の場合は主として写真)による伝達となり、鍼の実技の場合、そこにはどうしても限界があります。そこで、実技を供覧し、または実際に体験していただくために、第1回マッスル鍼法実技セミナーを企画しました。その概要は以下のとおりです。興味をおもちの方の積極的なご参加を歓迎いたします。

 期日 2015年11月29日(日) 10時開会、16時閉会
 会場 西東京市民会館(東京都西東京市)
 日程 午前の部 基礎実技:両手刺手管鍼法
午後の部 模擬臨床:①頚部のマッスル鍼法、②ニューモデル本治法

〔両手刺手管鍼法〕

 これは押手をしない管鍼法です。ではどうするのかと危ぶむ方がおられるかもしれません。利き手を上刺手、非利き手を下刺手とし、両手で鍼を持って刺鍼する方法です。最大のメリットは、押手による組織のひずみが生じないことです。そのため、自然体の組織に鍼を素直に弾入・刺入することができます。刺痛はもちろん、押し込み感などのノイズもなく、低タイムロスでスムーズに鍼を進めることができます。

 マッスル鍼法では、皮膚表面から標的の筋肉のところまで鍼尖を運ぶ必要があります。この鍼尖移送を、「いつ入ったか、どこまで入ったか分からない鍼(これをいつどこはりといっています)」とするために両手刺手管鍼法を開発しました。セミナーの午前の部は、2時間取ってあります。受講していただければ、全員両手刺手管鍼法ができるようになります。ご期待ください。

〔頚部のマッスル鍼法〕

 骨格模型を使って、頚部の支柱となっている骨格を観察します。また、ホワイトボード用罫線引きテープで、筋群触診マップの体表区分を確認します。これらを踏まえて頚部を触診し、頚部筋層の立体構造を理解していただきます。頚部は、細く狭い領域ですが、筋層構造は複雑です。筋群触診マップの区画をみても、背部は3区画、腰部は4区画に対し、頚部は7区画となっています。

 頚部筋に過緊張のある受講者にモデルになっていただき、深部ひずみ作り手技五術の実際と、それによる虚血サインの変化を供覧します。

〔ニューモデル本治法〕

 書籍『マッスル鍼法』では、マッスル鍼法研究の最終ゴールともいうべき成果として、ニューモデル臨床鍼灸システムを紹介しています。高位脳にリラックスをもたらす皮膚ポリモーダル受容野(皮膚ツボ)ネットアップ鍼法と、隅々のインナーマッスルから丁寧に隠れ疲労を取り除くインナーマッスルネットアップ鍼法を統合したニューモデル本治法は、1週間に1回とか10日に1回とか、定期的に体調コントロールのために来院する常連のお客様を増やすことにつながるでしょう。セミナーでは、このニューモデル本治法のやり方をつぶさに紹介します。

 本治法・標治法という捕らえ方は古典の言葉で語る鍼灸に独自のものという認識が一般的でしたが、ニューモデル臨床鍼灸システムは、この常識を打破し、現代科学の言葉で語る鍼灸においても本治法・標治法という組み立てが可能であり、かつ鍼灸の現代的発展に有力な拠り所となり得ることを示唆しています。どうぞご期待ください。
 

宮村健二(みやむら・けんじ)

【略歴】
1941年12月4日、金沢市生まれ。
1951年、9歳で失明。石川県立盲学校小学部4年に編入。
1964年3月、東京教育大学教育学部特設教員養成部卒業。
1964年4月~1992年3月、石川県立盲学校教諭(28年間)。
1992年4月~1997年3月、筑波技術短期大学鍼灸学科助教授(5年間)。
1997年4月、金沢市にて「あんしん堂鍼灸院」院長、今日に至る。
1978年8月より、日本点字委員会委員。
2002年4月より、石川県立盲学校非常勤講師。
2006年4月より、北陸大学薬学部非常勤講師(講座名「鍼灸学」)。
2009年4月より、金城大学社会福祉学部社会福祉学科非常勤講師(講座名「視覚障害者教育論」)。

【著書】
『手渡しで伝えたい 情報コーディネート鍼灸』(ヒューマンワールド)

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マッスル鍼法セミナー
2015年11月開催
日 時 2015年11月29日(日) 10時~16時
会 場 東京都内
内 容 マッスル鍼法』をテキストにしてその刺鍼テクニック等を学ぶ
講 師 宮村健二(あんしん堂鍼灸院院長)
詳 細 http://www.human-world.co.jp/seminer/seminer064.html




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