週刊あはきワールド 2015年10月28日号 No.447

AZE SHIATSU(阿是指圧)の神髄 その6

アンバランスの要因②…体の前面、体の後面のアンバランス(2)

日西指圧学院 小野田茂 


2.体の前面、体の後面のアンバランス(つづき)

 体の後面をフィジカルペイン、体の前面をメンタルペインということで、兪穴と募穴のバランスを前回のレポートで記しました。それでは体の後面と体の前面のアンバランスが引き起こす典型的な現代病は何でしょうか。まず筆頭に挙げられる症状としてスマートフォン症候群が頭に浮かびます。


    正しい姿勢               首が前傾気味の姿勢














典型的なストレートネック
























2)スマートフォン症候群
 まだまだ聞き慣れない新造語ですが、コンピューター万能の世の中、確実に進行形の症候群であり、現に現代人の約半分以上が、スマートフォンおよびPCを使用する現代においてスマートフォンによって有する特有の症状は、一頃、マスコミで盛んに使用された半健康症候群というフレーズをはるかに上回る、現代人を悩ませる症候群と言えそうです。

 まさしくアレルギーと並ぶ現代病です。西洋医学において、生活習慣病のようにこれといった完全な解決策は模索中の段階です。逆に東洋医学的見地から見れば、指圧などの手技療法で解決しやすい分野と解釈できそうです。

 ある政府機関の統計専門部署が発表した数字を見ると高校生女子の一日平均のスマートフォン使用時間が8時間、男子は4時間という統計が出ています。

 その上PCの使用時間を加えたら一体何時間、人間が発明した機械に振り回されているのでしょうか。麻薬物と同じように依存症という言葉が使用され始めている実態は、異常としか、いいようがありません。

 このことは日本だけの現象ではなく、私の住むマドリッドの地下鉄の中を見ても、約8割方の乗客が、頭部を前傾させてスマートフォンと格闘しています。この風景はまさに世界的傾向といえます。

 確かに一昔前の本を読んだり新聞を読んでいた風景が、スマートフォンに変わっただけだと言えばそれまでですが、この光景の異常さは、慣れてしまえばそんなものなんでしょうが、ちょっとおかしいぞと各方面の専門家がはてなポーズをしているのが、実態のようです。

 家族でのレストランでの会食、子供が会話についていけずにアイパットで遊び始めました。親御さんもスマートフォンをちらちら見て、会話があっちに行ったり、こっちに行ったりのぎこちなさ、まるで恋人がスマートフォンじゃないかと疑うようなそわそわ感。親がそうなんだから子供を責めることなんてできません。会話不足が、親子間の信頼感を消失させてやがては家庭崩壊そして人間様は、精神的疾患(うつ病、自律神経失調症など)に陥り、仕事も休みがちになり、やがては失業の憂き目に陥るといった悪循環の運命が待ち受けているといった未来空想が、まんざら嘘でもないように思うのは私だけでしょうか。

 私のような時代の人間は、テクノロジーがまだ世の中にはびこっていない時代を知っているので、物の善し悪しが判断でき、ブレーキも掛けられますが、スマートフォン、PCが全盛の時代に育った人達は、良し悪しにかかわらず、当たり前の時代に育ったという負の財産を持ちつつ生きていくという運命が待っているようです。特に未来を担う子供たちは、完全にPC、スマートフォンしか知らないわけで、比較の仕様がなく、何の疑念も持たずに学校教育、および日常生活の最低限の必需品として共有していかなければならない悲劇を伴っています。

 話は変わりますが、日本の政府機関が子供たちの体力に関するアンケートを実施して実際に、子供が立位の姿勢から、重心を下げつつ体を座る姿勢(日本式便所の座る姿勢)にバランスよく体を持っていこうとすると最後の座る姿勢までスムーズに行くのですが、最後の時点でつま先で立とうとして転んでしまうのだそうです。足底全体をつけて座ることができる子供が全体の2割程度だそうです。

 また膝をくの字に曲げて腰を下ろして据わっている状態から手を使用しないで立ち上がることができる生徒は、これまた数割程度だそうです。結論として股関節を筆頭に膝関節、足関節にいたる関節の柔軟性が欠如した子供たちが増加しているとのことでした。

 ご存知のように背骨は、関節の集合体です。現代人は背骨においても著しい変化が現れているようです。

 それでは次に背骨の弯曲について勉強しましょう。
 

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