週刊あはきワールド 2015年11月4日号 No.448

第43回日本伝統鍼灸学会へのやぶにらみ(上)

江戸庶民医療の華、お灸に焦点当てる

日本鍼灸の「かくれた文化」を洞察しよう

「松塾」主宰、黄帝内経研究家 松田博公 


鍼子横丁のご隠居、10月24日、25日の秋晴れのよき土日に伝統鍼灸学会にお出かけでしたね。

灸兵衞テーマが「よみがえる江戸」ときたからね。このところ、神田やぶ蕎麦近くのしもた屋「松塾亭」で、「日本の気は中国の気と違う」なんてえ与太話をしてるわたしが、行かないわけにはいかないよ。

鍼子収穫はいかがでしたか。

灸兵衞それがおおありさ。江戸期鍼灸について若手(?)から課題発表を募り、その筋を1本通しつつ、1日目におなじみ書誌学者、小曽戸洋さんの特別講演「日本における鍼灸の歴史」を配し、2日目の教育講演には神戸から鍼灸流派研究の立役者、博覧強記の長野仁さんを招き、締めくくりは、大浦慈観さんの杉山流、石原克己さん、浦山久嗣さんの刺絡と員利鍼、藤本蓮風さんの打鍼と、大物4人の競演だ。そりゃあ、見事なものだった。同時並行で新人向け手習い講座を設定し、杉山和一を顕彰する市民公開講座まで開催したんだから、実行委員の御苦労もさることながら、近来になく伝統鍼灸学会が存在感を示したのは、嬉しいね。これも、宮川浩也大会会頭、市川敏男実行委員長の名コンビが長年蓄えた企画力の発露だね。

鍼子おや、ご隠居。いつも愚痴や苦言が多いのに、珍しくべた誉めですね。

灸兵衞いや、苦言なんて言いたくなんぞないさ。井上雅文先生じゃないが、目先の小さな利益にすがる鍼灸界の現状を見ていると、つい、「これじゃ、鍼灸は亡びるよ」と口から出ちまう。今回の学会から言えば、伝統鍼灸学会にはまだまだ「王道」を行く力量があると思いたいね。

鍼子ところで、ご隠居から見て、江戸は甦ったんでしょうか。最後の総括パネル「江戸はよみがえったか」では、壇上に引き出されていましたが。
 

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