週刊あはきワールド 2016年1月6日号 No.456

【新連載】治療家のためのアロマセラピー プロローグ

香りだけを用いる

ACURE研究所 志茂田典子 


 
 現在、日本で行われている鍼灸治療はさまざまである。大まかに分けても、中国伝統医学(中医学)、日本伝統鍼灸1)2)、現代医学的局所治療等に分類される。これらは、鍼と灸という共通ツールは使ってはいても、診断法、治療理論、手技、使用する鍼の太さや形状、灸の種類なども異なるものである。

 これらの中で、中国伝統医学と日本伝統鍼灸は、中国医学思想をベースに置いているという点では共通しているといえるだろう。そのおおもとである『黄帝内経』では、「凡刺之真.必先治神(およそ刺鍼の秘訣は、まづ神を治めることにある)」(『素問』宝命全形論)として、治療における「治神」を重要視している3)。ここでいう「神」とは、身体における免疫系、自律神経系、ホルモン系、感情・情動行動の調整をも包括した概念であると考えられ、また、それは、香りが経鼻吸収された場合における生理的、心理的作用4)とも共通している。

 ところで、臨床的には、鍼灸治療にはマッサージが併用される場合が少なくない。このマッサージに、精油を溶かし込んだオイルを用いる、いわゆるアロマオイルマッサージが行われることが多くなっている。アロマセラピー*1というと、ほとんどの人がこのアロマオイルマッサージとイコールだと思っているようだが、必ずしもそういう意味ではない。今回は、マッサージを用いず、鍼灸治療に香りだけを組み合わせる場合について考えてみたい。

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