週刊あはきワールド 2016年1月6日号 No.456

ビギナー鍼灸師事始めの記 第8回

鍼灸医療と政治

鍼灸・あん摩マッサージ指圧師/ジャーナリスト 山田寿彦 


◎第3回 店舗を探す
◎第6回 ついに築城
 

雪が降り積もったわが治療院の外観(アパート1階の左端)。
看板は出していない
 ここ札幌は真冬日(日中の最高気温が氷点下)が続いている。北海道では「しばれる」と言う。わが城『はり・きゅう・指圧治療院 麻生ことぶき堂』は自宅から徒歩で15分。ツルツル歩道で転んだりして手の怪我でもしようものなら商売あがったりだ。小刻みに歩くのがコツだが、肩が凝る。

 治療院はアパートの一室なので、水道管の凍結・破裂に注意しなくてはならない。修理代は借主の負担になる。元栓を開けて開店。閉店時は元栓を閉め、トイレ、蛇口から水を抜く。氷点下4度以下が危険レベル。日中でも油断できない。

 毎日繰り返すのは面倒くさいが、12月の来院患者様は1人だけで、時々掃除に通う程度だった。さて、本稿に書くネタがないぞと腕組みしていたら、年の瀬も押し詰まった29日、初診の患者様を1人ゲットした。前回報告した初めてのリピーターと同様、私にとっては実に意義深かった。ジャーナリスト活動の延長線で首を突っ込んだ市民運動が新規の患者様獲得に結びついたからだ。

 かつての新聞記者仲間に誘われ、ある市民運動の事務局に9月から参加した。その事務局で知り合った新聞記者OBにこれまた誘われ、今度は選挙(4月の衆院北海道5区補選)絡みで別の市民運動の事務局に引っ張り込まれた。治療院は開店休業状態ということもあり、12月は事務局会議に頻繁に招集された。

鍼灸師は社会・政治に関心があるか?

 鍼灸で生計を成り立たせるのは至難のワザだとよく聞くが、鍼灸師の社会性・政治性の欠如にも原因があるのではないか、という気がしている。鍼灸専門学校在籍時、知事選挙や国政選挙が何度かあった。「インフルエンザの予防接種、受けましょうね」と呼びかける教師はいても、「社会や政治に関心を持ち、選挙に行きましょう」と説く教師は一人もいなかった。別の教師が授業で「新聞を取る必要はありませんね」と語った時は正直驚いた。

 毎年の卒業式では地元選出の自民党の国会議員が来賓としてやってきてあいさつした。テレビによく出る知名度の高い議員で、地元鍼灸師会の顧問という肩書を持っていたが、この人物が政治家として鍼灸医療の普及のために何か貢献した話など聞いたことがない。集票目的のただのパフォーマンスであることは見え見えだった。

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