週刊あはきワールド 2016年2月3日号 No.460

ビギナー鍼灸師事始めの記 第9回

脱ペーパー鍼灸師考

鍼灸・あん摩マッサージ指圧師/ジャーナリスト 山田寿彦 


◎第6回 ついに築城
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 大晦日の朝、シェフのSさんからの電話で起こされた。「今日これから診てもらえますか?」。うれしいオファーだった。「新米鍼灸師に大晦日も元旦もありません。どうぞ、どうぞ」と喜び勇んで準備に取り掛かった。12月は3人目の患者様である。

 Sさんへの施術は出張専門時代を含め5回目になる。足底の痛みが腰の問題から来ていたことを見抜けず、カイロプラクティックにさらわれてしまった方。カイロの先生に指導された体操のおかげで、足の痛みはかなり改善されたとのこと。しかし、不眠の悩みからは解放されず、「ぐっすり寝られるようになりたい」と訴える。とにかくリラックスしていただくことを心がけ、2時間半ぐらいの治療になってしまった。

大晦日を最後に客足途絶える

 1年をいい形で締めくくることができ、新年への期待が膨らんだ。ところが、そう甘くはなかった。1月の来院患者はゼロ(27日現在)。かかわっている市民運動などで名刺を交換すると、「五十肩が辛いので、今度行きますよ」などとおっしゃる方は少なくないのだが、なかなか足を運んではもらえない。

 雇われの身から昨年独立開業したなじみの理容師に散髪のついでにその話をすると、「私も『今度髪切って』とよく言われます。でも、実際の行動(来店)に結びつくかどうかは難しいところです」と彼は言った。

 客商売とは最初はそんなものかもしれない。わが師匠は「カウンセリング無料」とうたっていた。師匠の治療院でカウンセリングだけで帰った患者を見たことはなかったが、「健康相談無料」と名刺にうたうのも手かもしれない。

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 というわけで、今回は治療日誌を書きようがないので、1月6日号をもって9回の連載を終了した鈴木唯史先生による『ペーパー鍼灸師“脱出”大作戦』の感想を述べてみたい。テーマが私の連載と似通っていたので、興味深く読ませていただいた。

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