週刊あはきワールド 2016年3月23・30日合併号 No.467

あはきメンタル~基礎編~ 第12回

「魂魄」と「夢」(1)

~夢の解釈~

目白大学大学院心理学研究科教授 奈良雅之 


◎第10回 七情について(1)
       ~感情と認知~
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 前回は、出来事に対する捉え方によって、ある種の感情が発生し、それがうつ病などの原因になること、認知療法・認知行動療法がその治療に有効であることを中医心理学の七情解釈に基づいて説明しました。

 心理学の領域では、そうしたこころの病を予防するために、体調や欲求といった、言語化することが比較的困難な「こころの奥底の状況」についても扱うことがあります。睡眠中に体験する心理現象である「夢」は、心理療法における分析対象として用いられています。

 中医心理学(『あはき心理学入門』p.18参照)において、「夢」は体内の陰陽の偏盛の異常によって引き起こされると考えられています。霊枢・陰邪発夢では、体内に侵入した正邪が一定の部位に留まることなく衛気とともに流れ、「魂」「魄」もそれにともなって浮遊し、人の安眠を妨げて多く夢を見させるとしています。

 「夢」の内容が、正邪の侵入部位によって生じる体内の気の有余、不足と対応するとすれば、「夢」の内容を病態や病変部位を判定する手がかりにすることも不可能ではありません。

 一方、「魂」「魄」について、筆者が尊敬する臨床心理士である黒木賢一氏は、その著書『<気>の心理臨床入門』(星和書店)の中で、クライエントの深層意識レベルのイメージを「魂」身体感覚を「魄」と位置づけた心理療法モデルを提示しています。

 今回は、睡眠という行動に付随して現れる「夢」という心理現象について心理療法における「夢」の解釈に触れながらお話するとともに、「魂」「魄」という枠組みとの互換について、考えてみたいと思います。

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