週刊あはきワールド 2016年4月6日号 No.468

つぼつぼ散歩 第57回:要穴の章・その50

輸穴のはなし(甲)

-輸穴概論-

つぼマニア 浦山玖蔵 


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 「足通谷」の主治をまとめると、①頭部・顔面部の虚実の熱を降下・清消する、②胸腹部の気滞・血瘀・痰飲を除く、③膝から下の腫痛(湿熱)や無力(気血虚)を解消する、などであった。

 今回は、「輸穴」の概論を述べる。

1.輸穴概論

1) 輸穴の歴史
 すべての「つぼ」概念は「腧穴」または「孔穴」と呼ばれるが、また、「気穴」「輸穴」などとも呼ばれる。古典用語一般に通じることではあるが、大きく見ればこれらは皆大略同じものであるのといえるいっぽうで、細かく見れば各用語が古典文献それぞれに使用される状況により、またはその定義や解釈、および選択された文字によって微妙に異なるため、それぞれに固有の事情やニュアンスの違いが見出せるものでもある。

 有名な前漢・司馬遷『史記(BC1世紀末ごろ)』扁鵲伝には、通りがかった扁鵲が仮死状態の虢太子を蘇生させる逸話が収録される。扁鵲伝ではその治療部位を「三陽五会」と表現するが、同様の逸話を前漢・劉向(BC77-BC6)『説苑』弁物や前漢・韓嬰『韓詩外伝(BC2世紀中葉ごろ原著)』巻十ではこれを「三陽五輸」という。これが医経以外で「輸」字を「つぼ」の意味で使用した最初の例であろう。しかも、これは経穴一般というよりも「要穴」というニュアンスに近い。

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