週刊あはきワールド 2016年5月18日号 No.474

在宅ケア奮闘記 その113

退院したてのカチカチのSさんをトラスファーテクニックで楽々施術する

訪問リハビリ研究センター代表 西村久代 


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 誤嚥性肺炎で3カ月入院していたSさんが帰ってきた。膝は伸展したまま。膝から下の皮膚の色がすこぶる悪い。エビ茶色。右足の感覚がないという。上半身はやや右を向き、ベッドが20度ギャジアップされている。床ずれ防止に分厚いエアマットが装備されている。定期的に体位変換をするタイプのものである。しかし、Sさんはベッドの真ん中に位置しておらず、エアマットの動きに従順していない。胸郭が押しつけられているように見え、“苦しい”の一歩手前のような感じがした。

体位が悪いため、「腰が痛い」と訴えるSさんを
トランスファーテクニックで移動させる

 久しぶりに私を見ると、左目だけでうるうると私を見て、とても喜んでくれた。右目は目ヤニが多く開くことができない。「生きて帰ってきた。先生。またお顔を見ることができてうれいしい」と言っているのかな? 泣くのかな? ろれつが回っていないのと声が小さいのとで言葉を予測しないといけない。…と思ったら、ハッキリとした声で「先生、腰が痛い」と言った。

 ベッドの中心位にいないのが一つの原因だと考える。いきなり動かすのは危険なので、ベッド面から手を入れて痛いという個所を確認した。骨折を起こしている様子でもないので、トランスファーテクニックで頭・両肩・腰・片足ずつを横に移動させた。

 トランスファーテクニックというのは、施術者だけで患者を移動させるテクニックである。この理論さえ理解すれば患者も痛みや違和感なく移動でき、施術者も腰や肩に負担なく自由に患者を安心・簡単に移動させることができるテクニックである。

 私はプロ中のプロ。難なくベッドの真ん中に患者を移動させることができた。ギャジアップ20度を水平まで下げた。そしてエアマットの堅さを見たら一番ソフトになっていた。家族と一緒に確認をしてもらってやや硬めにシフトチェンジした。

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