週刊あはきワールド 2016年5月25日号 No.475

活きたツボを捉える切経探穴法 第26回

体内の異常と詳細切経探穴

~泌尿生殖器系(腎膀胱)の異常~

蓬治療所 戸ヶ﨑正男 


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はじめに

 今回は腎膀胱の異常に関する詳細切経探穴について述べるのですが、これと関連する腎膀胱の生理と病証についても入れます。このように今後は、臓腑の生理と病証の項目を新しく設けようと思います。

1.腎膀胱の生理と病証

 腎膀胱の生理と病証は『東洋医学概論』ですでに勉強されている内容ですが、私の考える生理、病理と病証ということで述べてみようと思います。なお、病証については自覚症状を主に述べます。

 現在の医学では、腎の機能は主として水分代謝、小便を作る働きです。ところが、伝統医学の腎の生理は、それ以外に生殖機能と生命の力である精気の貯蔵機能です。

 現在の医学で言えば、生殖機能は主として、男性では睾丸の機能であり、女性では子宮、卵巣の機能ですが、これらも腎の機能として伝統医学は考えているわけです。

 最後の精気の貯蔵機能という考え方は現在の医学では全くないと言っていいでしょう。何故ならこの医学は生気論の立場ではなく機械論の立場から人間を診ているからです。

 伝統医学のこの考え方は大変重要で、生きものイノチが持続する力を保持する働きであり、病気を寄せつけない防衛機能であり、病気を治す働き、自然治癒機能の中枢として腎を位置づけていることであります。

 膀胱の生理はどうでしょうか。膀胱は現在の医学では小便を貯めて、一定以上増えると体外に出す働きですが、伝統医学では、津液を貯めておく働きであると位置づけています。津液は体内の正常な水分と考えれば、膀胱は腎の働きの一つである水分代謝機能の一部ということになります。私はこの考え方を取るのですが、この場合の津液を小便と解釈する考え方もあり、今の医学と同じ見方をしている人が多いのではないかと推察しています。

 水分代謝機能に異常が起こるとどのような病証が現れるでしょうか。まずは小便の異常です。頻尿、小便閉(出にくい)、遺尿等です。水分が体外に出にくくなれば、浮腫も起こります。腰臀部の重痛もあります。

 また、便通にも影響します。便の固さは水分量により便秘や下痢(鶏鳴下痢)になります。汗にも影響します。自汗と言って暑くもないのにだらだらと出る汗です。さらには眩暈、口渇等も出ます。

 生殖機能の異常はどうでしょう。男性であれば、陰(陽)萎(インポテンツ)、早漏、遺精、男性不妊等です。女性では、生理不順、不妊症、早期の閉経等です。

 精気の貯蔵の異常は、生殖機能にも当然影響しますが、ここではそれ以外のことをあげます。この異常は不足することであり、その結果、防衛力、抗病力低下、自己回復力,自然治癒力低下により、やる気(元気)が出ない、驚きやすい、怯える、健忘といった精神状態になりやすく、足(膝)腰が弱い、だるい、感染症にかかりやすい、病気が治りにくい、多臓器に異常が起こりやすい、早老、若死等が起こります。

 腎の機能の一つまたは二つ以上の機能異常により、下半身、特に腰部、下腹部、足の冷え感と顔や手足のほてりやのぼせが出ることがあります。また、下腹部痛、下腹部に力が入らない、腰痛、殿部痛なども起こります。その他の症状では、難聴、耳鳴り等の耳の疾患が起こります。
 
 膀胱の機能異常では、尿閉、遺尿、頻尿、尿色が濃くオレンジ色に鳴ったり血尿、排尿痛、下腹痛、腰臀部痛が起こります。
 
 では本題に移ります。

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