週刊あはきワールド 2016年6月1日号 No.476

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.26-1

トリガーポイント鍼治療(その1)

~筋肉の痛みとどのように向き合うか?~

明治国際医療大学鍼灸学部臨床鍼灸学講座 伊藤和憲 


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1. はじめに

 「痛み」は鍼灸臨床の中でも最もよく遭遇する症状の1つである。しかしながら、「痛み」と言ってもその原因はさまざまであり、神経や骨、筋肉などの運動器疾患に始まり、内臓疾患や脳疾患、精神疾患など多様である。そのため、正確な原因を突き止めるためには、幅広い領域の痛みを鑑別する知識を持つ必要がある。

 一方、「痛み」と一言で言っても急性か慢性かで、その対応は大きく異なる。一般的に、急性痛における痛みは、警告信号としての役割が強い。そのため、急性痛の診療では、警告信号の発信源を見つけるためにさまざまな検査を行うことで原因を追求し、その原因に対して的確な治療を行うことにある。よって急性痛の診療では、痛みの鑑別にその主眼が置かれている。他方、慢性痛における痛みでは、警告信号としての役割はあまり大きくない。痛みは慢性化すると、疾患や怪我などに由来して起こる痛みだけでなく、ストレスや天気の変化、さらには感情の変化などによっても痛みが変化することが知られている。そのため、痛みのある場所を詳しく検査しても原因がはっきりしないことも多い。よって慢性痛の診察では、痛みの原因を見つけることもさることながら、痛みを止めることにその主眼が置かれることとなる。

 このように、急性痛と慢性痛では考え方が異なることから、その診察方法や治療方法も大きく異なるが、両者を明確に区別して診察・治療を進めている医療関係者はそれほど多くない。そこで、今回は痛みの鑑別の中で特に問題になる筋肉の痛みについて焦点を当て解説を行いたいと思う。

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