週刊あはきワールド 2016年6月15日号 No.478

全力で治す東西両医療 第4回

バイタルサインは生きているサイン(2)

~89歳女性のケースから考えてみよう~

ともともクリニック院長 木村朗子(対談:石川家明) 


◎第3回 バイタルサインは生きているサイン(1)
      ~89歳女性のケースから考えてみよう~(木村朗子、対談:石川家明)
◎第2回 ともに患者を診て、学んで、考えること(木村朗子、対談:石川家明)
◎プロローグ(2) 「全力で治す東西両医療」連載にあたって
           ~東洋医学と西洋医学は対立するか~(木村朗子)
◎プロローグ(1) 「全力で治す東西両医療」連載にあたって
           ~かわいそうな鍼灸師のために~(石川家明)
 
 前回は、バイタルサインの基礎についてお話しながら、ひとつの症例をあげて具体的なバイタルサインの見方を解説した。基礎的な話だけではなく症例をあげて話を進めることで、基礎と臨床のつながりを意識していただけるように試みてみた。

 実臨床では、医療面接とバイタルサインでたくさんの情報を得ることができる。非常に簡便かつ有用なので、ぜひその魅力を皆さんにも感じていただき、日々の臨床に取り入れてほしい。では、前回提示した症例の復習から、今回号を始めていこうと思う。

【症例】89歳女性Mさん

2週間前からカゼをひいているがなかなかよくならなかった。今も少し咳がでる。2.3日前から階段昇降や少し歩くとドキドキと胸が苦しくなる。座ると楽になる。
BT 36.9℃(平熱36.5℃)  HR 104/分・整 BP 152/74mmHg  SpO2 (酸素飽和度)93% RR 24/分

【対談】

バイタルをうかがう
石川まず、簡単に前回のまとめをお願いします。

木村89歳女性、高齢ですね。カゼのような上気道症状のあと治りが悪いという主訴でした。加えて胸苦しさもあるようです。Mさんがいらした時期は冬でした。脈拍104回/分、呼吸数24回/分、酸素飽和度93%などから考えて、息苦しさの程度を想像できます。

石川先生、冒頭からストップで申し訳ないのですが、「学校で習っていない!」と言われます。(笑)このバイタルがなぜ「おかしい」と分かるのかが、たぶん分からないのです。

木村あっ、そうですか?鍼灸学校では習わないのですか?

石川習うのは通り一遍でしょう。正常範囲だけでしょう。その臨床的意味は、つまりバイタルサインで簡単に重症度、緊急度がわかるのだ、人の命を救えるのだ、という意味ではわからないでしょうね。症例を、たくさん実臨床をとおして知っている講師でしか学生に伝達できないでしょう。

木村「息苦しさの程度を想像できます」って書いてはダメなのですね。

石川そこが書き手には辛いところです。「ただのカゼにしては、このバイタルではおかしい」と分かるベッドサイドでの教育が不可欠なのです。医療間同士には必須の基礎教育がなされていないのが鍼灸学校教育の現状です。
 

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