週刊あはきワールド 2016年6月22・29日合併号 No.479

AZE SHIATSU(阿是指圧)の神髄 その13

アンバランスの要因②…体の前面、体の後面のアンバランス(9)

~按腹パート4~

日西指圧学院 小野田茂 


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呼吸と腹部指圧の関係 1

 人間を筆頭に、地球上のあらゆる生物の生命活動を支えるエネルギー、それを漢方では気と読んでいます。気には、両親から受け継いで生まれ持つエネルギーが先天の気、生まれた後に獲得するエネルギーの後天の気があります。

 後天の気には、口から摂取する食物や水分を水穀の気、鼻から取る大気エネルギーの宋気の2種類があります。そして人が先天的に獲得した気が、身体の中で活動するエネルギーを内気、体外に放出されるエネルギーを外気と呼びます。

 特に外気のツボとして手の厥陰心包経8番の手掌部の中央にして第3、第4中手骨間にある労宮穴が有名です。

 手掌部を使用した掌圧は、労宮穴を患部に接触させず、五指の指腹と母指球小指球を若干緊張させて労宮穴に隙間を作り患部の患者さんの肌と接触を試みます。

 手掌部の掌圧は、接触部の関節が各関節へ連動して最終的には丹田部に連結します。逆に言えば丹田部から圧を入れるイメージを持って操作します。

 按腹の施術は、治療師は大きな身体の動きを意識して操作をします。背部の施術と圧のかけ方はほとんど変わりません。しかし場数を積むと施術者の動きは傍目にはほとんど見られなくなります。しかし患者さんには、手掌や指腹の接触を通じて圧の方向、圧の強弱が手先の力としてではなく一つの身体全体で覆いかぶさるような動きとして感じます。

 按腹には、ダイナミックな、私達は気を配ると言いますが、そのような動きを患者さんが感じられるまで、たくさんの経験が必要な部位とも言えます。

 後天の気には、水穀の気と宋気がありますが、特に水穀の気を司る部位の調整が按腹です。宋気の要は臍下三寸の丹田部です。

 健康な状態であれば通常、丹田部(任脈4番関元、臍下三寸、小腸経募穴)が実、みぞおち(任脈14番巨闕、心経の募穴)が虚のバランス関係が存在します。

 このバランスが乱れ出すと丹田部が虚、みぞおちが実の状態に変化していきます。すなわち急性期から慢性期に移行します。完璧に変化しなくても半健康症候群といった、何か具合が今一、身体の疲れが寝ても取りきれないといった状態に陥ることが考えられます。

 みぞおちが硬いということは、横隔膜の緊張を意味するので呼吸筋も十分に働かなくなります。浅くそして速い呼吸になれば、規則正しく動いていた肋骨と背骨のジョイントも遊びがなくなり気がいつも上がった状態で胸式呼吸をいやおうなしに行うことになり自律神経失調症になりやすくなります。按腹の効果として腹部の指圧を施すと、呼吸がゆったりとそして丹田部に動きが出てきます。このことは計り知れない効果を期待できます。按腹により胸式呼吸が腹式呼吸に変わるということは、誰でも按腹を受ければ、簡単に実感できるはずです。

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