週刊あはきワールド 2016年7月20日号 No.482

鍼灸学生の研修奮闘物語 File.2

Student.SeのBSL(Bed Side Learning )Diary(2)

~生き残るためにはまず腰痛をしっかり鑑別できるようになろう~

鍼灸学生3年 平岡遼 


 
 研修日記をTOMOTOMOゼミ内でメールを流すと、先輩達が励ましやご意見をいただけます。前回、先輩達のメールでのやりとりも抜粋して記載いたしましたが、今回はそこで話題にあがった国民生活基礎調査の有訴者のデータから、鍼灸院にはどのような患者が来院しているのかを諸先輩方にたずねました。メールでのやり取りの内容は実に多岐にわたってしまいますが、今回はその中から話題を絞って、新参者は何からどう学ぶかを諸先輩方にたずねたことを整理しました。

先輩からのメールと学び

花田学園・慶應義塾大学神経内科大学院 萱間洋平
 呉竹医療専門学校鍼灸・鍼灸マッサージ科附属施術所 専任教員 藤田洋輔
山田整形外科・胃腸科・肛門科 荒川和子
TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会) 石川家明

鍼灸院にはどのような患者がくるか

平岡これまで私は文献引用するものというと、理工学の大学院生時代の名残で論文、専門書、専門誌といったところを当たっていましたが、萱間先生が国民生活基礎調査の有訴者のデータを示してくださったように、医学分野においては国がまとめている統計データや、各団体がまとめている診療ガイドラインなども選択肢に入るのだと気づかされました。統計データは実際に自分が見る患者さんの割合と近いものになる可能性が高いですし、各ガイドラインはその専門の人には常識となる情報ですので、目を通していくべき資料だと思いました。いますべて読めなくても少なくともどんなものがあるのかは調べようと思います。

萱間そうなんですね、平岡さんの素朴な疑問のおかげでそういえば有訴者率ってあったなあと思い出しました。統計データやガイドラインに目を通しておくことは、その疾患での共通認識を知る上で有用な手段だと思います。

平岡有訴者率が高いものでは、腰痛、肩こり、関節痛といった整形外科疾患、特に非特異的なものが多いことに気づかされます。また、5位までの他の二つは鼻汁・鼻閉と咳・痰で、やはり臨床でよく聞かれるものだと思います。

石川卒業して野に放たれて、明日患者が来るというときに何をまず勉強して備えをしていくのか、という問題であります。僕らの時代から、鍼灸院来院患者の内訳は整形外科疾患が7割、内科系疾患が3割でした。今でもそれが変わっているようには思えません。整形外科疾患のうち一番多いのは何でしょうか?

平岡みなさん、メールでのご指導有難うございます。石川先生、鍼灸院来院患者のうち整形外科疾患で一番多い愁訴は腰痛ですか? ちなみに次に多いのが膝痛でしょうか?

石川そうですね。まず、全国の一般的鍼灸院ではどうなのかから話をしましょう。国民生活基礎調査の有訴者データと、鍼灸院来院患者の愁訴と多い順とが一致するのはとっても素晴らしいことです。来院患者の8割が整形外科で、そのまた7~8割の主訴が腰痛なのです。整形外科疾患の残りの疾患は肩こり、膝痛だと予想できます。ところで一日来院患者の平均数って知っていますか?

<ここまでメールです。以下、BSLでの談話です。>

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