週刊あはきワールド 2016年7月27日号 No.483

レポート…大学授業紹介

早稲田大学「東洋健康論」

目白大学大学院心理学研究科教授 奈良雅之 


 
 わたしたち鍼灸師は、鍼灸教育という言葉を聞くと、鍼灸専門家になるための教育をイメージするのではないかと思います。しかしながら、患者教育や健康教育も広い意味で鍼灸教育の一環と考えられます。筆者は、鍼灸が広く社会に認知され普及し発展していくためには、鍼灸専門家ではない人たちを対象とした鍼灸教育の実施が有効と考えています。

 筆者は、2008年より早稲田大学戸山キャンパスで「東洋健康論」という科目を担当しています。

 「東洋健康論」は、受講者の健康に関する知識の幅を広げるとともに、バランスのよい健康観を養い、適切な判断と望ましい健康行動の発現を促すことを授業のねらいとして、現代社会におけるストレスや生活習慣病などの健康問題、「癒し」や健康法、漢方、鍼灸、リハビリテーションなどの関心事、および競技スポーツ・トレーニングなどを話題に取り上げ、東洋医学的な視点と科学的な視点から概説、実技を交えて体験的に学習するものです。

 「東洋健康論」は、全学部学科学生が受講できる一般教養科目として、これまで800名を超える学生が履修し単位を取得しています。

 ここでは,筆者が担当する早稲田大学「東洋健康論」を話題に取り上げ、導入の経緯や授業内容、受講者の反応について紹介します。

1.導入の経緯

 早稲田大学の健康関連科目は、2000年以降、一般教養科目カリキュラムの中で多くの学生が受講し、科目によっては履修登録の倍率が発生している状況が続いていました。中でも碓田氏が担当する「姿勢と健康」という科目は、カイロプラクティックの視点から姿勢について自ら評価し望ましい方向に改善することをねらいとする実践的な興味深い内容で構成されており、受講希望者が集中する人気科目の筆頭でした。

 健康関連科目における「姿勢と健康」に匹敵する新たな科目の増設というニーズを受けて、当時の早稲田大学健康関連科目カリキュラム責任者の関教授に担当を打診いただいたのが「東洋健康論」でした。

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