週刊 あはきワールド 2007年10月3日号 No.54

いまなぜ柳谷素霊か

第1回東鍼校フォーラム
「素霊記念館開館記念 素霊シンポジウム」開催される

第1回東鍼校フォーラム「素霊記念館開館記念素霊シンポジウム」が9月30日、東京都新宿区の東洋鍼灸専門学校第二校舎3階(講堂)で開催された。「いまなぜ柳谷素霊か―未来鍼灸のための素霊学宣言」をテーマに40~50代の素霊通の4人のパネリストによるかつてない「素霊学」が展開された。

 同フォーラムでは、まず東洋鍼灸専門学校校長で今回のシンポジウムの総合コーディネーターである丹澤章八氏による「開会の辞」、そして同校理事長である毛塚鉄雄氏による「理事長挨拶」が行われたあと、鍼灸ジャーナリストで企画立案者である松田博公氏の司会でシンポジウムが始まった。パネリストは、柳谷素霊を直接見たこともない若き研究者4人。すなわち戸ヶ﨑正男(東洋鍼灸専門学校講師・蓬治療所代表)、横山浩之(森之宮医療学園専門学校・はりきゅうミュージアム研究員)、市川敏男(東洋鍼灸専門学校教員)、宮川浩也(東洋鍼灸専門学校教員・日本内経医学会会長)の各氏で、それぞれ「臨床家、研究家としての柳谷素霊先生」「昭和鍼灸史における柳谷素霊」「素霊学事始」「素霊学の初階 素霊の足跡を追う―残された写真を手がかりに」をテーマに30~45分ずつ発表し、そのあと、内経医学会の金古英毅、花田学園の木戸正雄、北里研究所附属東洋医学総合研究所客員研究員の大浦慈観の3氏による指定発言を交え、総合討論を行った。
 
 経絡治療の領袖として偶像化された神話を解体し、巨人・柳谷素霊の実像にどこまで迫れるか。期待された今回のシンポジウムで明らかになった新事実がいくつかあり、また柳谷素霊が、純粋古典派というよりも、鍼灸の科学化への視点を生涯持ち続けていたこと、井上恵理、岡部素道、竹山晋一郎との路線の違いなどにも改めて照明が当てられ、非常に興味深い企画となったが、同時に今後解明されなければならない部分も浮き彫りになった。昭和鍼灸史を明らかにし、また未来鍼灸を模索するうえで、「素霊学」の必要性を痛感させられる大会となった。

 なお、討論は内容を充実させる意図で、原則非公開で行われた。東洋鍼灸専門学校では、シンポの忠実な記録を東鍼校フォーラム叢書第1巻として来年初めにも出版する予定。

 また、同フォーラムについては、今週と次週号の「あはきワールド」(2007年10月3日、10日号No.54、55)の“まつだひろきみの「鍼灸できょうも元気」”で詳しく解説しているので、その記事を参照されたい。

写真上:司会の松田博公氏
写真下:パネリストの4氏(左上:横山浩之氏、右上:戸ヶ﨑正男氏、左下:市川敏男氏、右下:宮川浩也氏)

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