週刊 あはきワールド 2008年11月5日号 No.108


“古典”と“押手”から日本伝統鍼灸の特徴を探る

第36回日本伝統鍼灸学会学術大会東京大会開催される




   会頭講演・丹澤章八氏

日本伝統鍼灸学会の第36回学術大会(東京大会)が10月25、26の両日、東京都江戸川区のタワーホール船堀で開催された。「日本伝統鍼灸の特徴を探る」を大会テーマに、シンポジウムや実技供覧のほか、特別講演、会頭講演、会長講演、特別研究、一般研究発表などが行われた。



  会長講演・首藤傳明氏

1日目に行われたのは、会頭講演や会長講演、シンポジウム、一般研究発表など。会頭講演では丹澤章八氏が「鍼灸教育雑感―卒後教育への思いと実践から」、会長講演では首藤傳明氏が「振戦と労宮―パーキンソン病の臨床」と題して講演した。





シンポジウムの様子。写真は上段が浦山きか氏(左)と齋藤
宗則氏(右)。下段が高橋大希氏(左)と宮川浩也氏(右)

シンポジウムは今大会実行委員長の宮川浩也氏自らが座長を務める「古典はどのように読まれているか」。宮川氏は今年6月、香港中文大学中医学院設立10周年記念の「黄帝内経討論会」に参加したときに感じた「日本の古典研究はいつの間にか周回遅れになっている」という危機感から周回遅れを取り戻す一歩にしようという熱意が伝わる司会ぶりだった。シンポジストの浦山きか(北里研究所東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員)、齋藤宗則(明治国際医療大学)、高橋大希(東京衛生学園専門学校)の三氏もその宮川氏の熱意に応える形で今後の古典教育のあり方などについて熱く語り合った。

2日目は一般研究発表6題のあと、特別研究や特別講演のほか、実技供覧などが行われた。


  特別研究・浦山久嗣氏      特別講演・長沢元夫氏

特別研究では、浦山久嗣氏(第二次日本経穴委員会委員)が「古典に学ぶ手の役割―特に左手に注目して」と題して講演。難経七十八難の「鍼を為すことを知る者は、其の左を信じ、鍼を為すことを知らざる者は其の右を信ずるなり」などの古典文献の文言を数多く引用しながら、その違いに着目した研究内容だった。特別講演では、東京理科大学名誉教授の長沢元夫氏が「ドイツの伝統医療である植物療法について」と題して講演した。


   実技を披露する木戸正雄氏

実技供覧では「押手の役割」をメインテーマにして、さらに「撚鍼法の押手」「管鍼法の押手」「取穴の押手」「手を訓練する」の4つに区分されたテーマが設けられた。各テーマの講師は、「撚鍼法の押手」が村田渓子氏(新医協 鍼灸部会)と小野博子氏(東方会)、「管鍼法の押手」が大浦慈観氏(いやしの道協会)と木戸正雄氏(日本鍼灸理療専門学校)、「取穴の押手」が戸ヶ崎正男氏


  実技の解説をする戸ヶ崎正男氏
(蓬治療所)と奥村裕一氏(北辰会)、「手を訓練する」が金古英毅氏(日本内経医学会)と小林詔司氏(積聚会)が務め、各講師はどのように押手を工夫しているのかなどについて実演しながら解説した。

なお、学術大会の会期中に評議員会および総会が行われ、日本伝統鍼灸学会の新会長に形井秀一氏(筑波技術大学教授)が選出承認された。




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